ayanologはてな館

主に東京の東側で暮らしている私の日々を、ごはんやおやつの話を中心につづります。ayanoのblogなのでayanolog。夏の間はかき氷専門ブログ「トーキョーウジキントキ」もやってます。2013年10月に、はてなDiaryからHatena Blogへ引っ越してきました。

アンリ・カルティエ=ブレッソン 瞬間の記憶

一般的には「偉大な写真家」ということになっているけれど、なぜかピンとこない写真家、という人が私には何人かいます。そのうちの1人が、「和製ブレッソン」と呼ばれることが多い木村伊兵衛
まあ、私に、見る目がないってことなのだろうとは思うんだけども、なんというか、何枚写真をみてもどこが凄いのかよく分からないんですよね……。

で、木村伊兵衛はピンとこない私ですが、本家のブレッソン、つまりアンリ・カルティエ=ブレッソンの写真は大好きです。20世紀最大の天才写真家と言われたブレッソンのドキュメンタリーが、渋谷のライズXという映画館で公開になったので、公開初日に観てきました。

bresson.jpg

撮影の妨げになるから、といって、顔を出すことを極端に嫌ったブレッソンが、晩年(彼が亡くなったのは2004年夏)に自分の写真について語った貴重なドキュメンタリーです。クラシックに載せて、映画のスクリーンに大きく映し出されるブレッソンの写真を観ているだけで幸せ。ブレッソンが自身の写真について語り、そして彼の周りの人たちが、彼と彼の写真について語ります。ブレッソン自身は全然現像にこだわりがなくて、お任せだったこととか、いろんなことが分かります。あんなに温厚に語り、笑う人だったのか、とか、絵を描くのが好きだったのか、とか、ほんとにいろいろ。

彼の写真を見続けているうちに強く思ったのは、「決定的瞬間」で知られるブレッソンだけれど、実は瞬間をとらえるだけじゃなく、同時に完璧な構図も成しているということ。あるできごとが起きたとき、その場所に居合わせ、しかも決定的瞬間をとらえるだけでも大変なことだけれど、彼はしかもそれを完璧な構図で写し留めたから「天才」なのだろうと、そんなことを思いながら見ていました。「報道写真」と「作品」の間はそこが違うのかな……とも。

そして、もう一つ思ったのは……。

「私もまた、“街角の人物写真”を撮りたい」ということ。映画を見ているうちに、カメラを抱えて写真を撮りに行きたくなってしまいました。人と街を撮りたくて、むらむらしてきたんです、ホントに。

デジタル一眼レフを買ってから撮るようになったものの一つが、人をメインにした街角スナップ。でも、ここ2年くらいは一切撮っていません。2年くらい前、とある出来事があって、それ以来自分の中では封印しているのです。その解決策がみつかるまでは撮らないと決めていたのですが、この映画を見ているうちにたまらなく撮りたくなってきてしまいました。だって、ブレッソンの写真ってまさに「街角にいる人物のスナップ」なんだもの。

asa_p04.jpg
#2004年に浅草で撮った写真です。懐かしいな……

それにしてもライズXって、面白い作りの映画館でした。全席指定で、定員数はなんと38名。小さな小さな映画館です。しかも、2階建て!1階と2階の間くらいのところにスクリーンがあります。

ブレッソンの映画をいつまでやるのか、サイトを見てもハッキリ書かれていないのですが、おそらくそう公開期間は長くないと思うので、気になる方はお早めに。プログラム(1000円)がまた素敵でお買い得なので、もし行くことがあったら、帰り際にチェックしてみることをオススメします。

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