ayanologはてな館

主に東京の東側で暮らしている私の日々を、ごはんやおやつの話を中心につづります。ayanoのblogなのでayanolog。夏の間はかき氷専門ブログ「トーキョーウジキントキ」もやってます。2013年10月に、はてなDiaryからHatena Blogへ引っ越してきました。

「若冲と江戸絵画」展(2)伊藤若冲編

さて今回はいよいよ伊藤若冲の話を。いっぱいあるし、どれもそれぞれによかったんですが、きりがないので何点かに絞って書きたいと思います。

●鶴図屏風

tsuru01_s.jpg

今回私が惚れ込んじゃったのは、なんといってもコレ。若冲ルームにある、「鶴図屏風」です。

若冲の絵というと、これでもかこれでもかというくらい細部が描き込んであって、持てるテクニックを全て費やして……というイメージが強いですが、これは逆に、鶴の動きをさら〜っと描いてある作品です。しかも鶴の体はわざと丸くデフォルメして、たまごのような形に描いてある。絵から少し離れて、わざと斜めのほうからちょっと目を細めてこの屏風絵を見ると、卵がコロンコロン転がっているように見えます。

デフォルメしてあるのに、すごくシンプルに描いてあるのに、それでいて驚くほど“鶴”なんですよえ……。ある意味写真よりも細かく鳥(鳥だけじゃないけど)を描き込んだ若冲だからこそ描ける線なんだろうなあ、としばし嘆息。

すっごくすっごく気に入ってしまい、お土産屋さんでこの絵の「ミニ屏風」を買ってしまいました。自宅の机の前に置いて眺めています。


●鳥獣花木図屏風

jakuchu_byoubu_s.jpg
この企画展の目玉作品ともいえるのがコレ。宇多田ヒカル「サクラドロップス」のPVで、この象がCGになってクルクル回ってたとかで、あちこち取り上げられてますよね。ミュージアムショップの話でも書きましたが、ルービックキューブやらTシャツやらバッグやら、この絵をモチーフにしたグッズもたくさん出てますし。

そんな鳥獣花木図屏風はやっぱり大人気で、この作品の前にはもうずーーーーっと人だかりの山。大きな作品なので、近寄っても見たいし離れても見たいんだけど、混んでいるので、離れてみると上半分しか見えないんですよ…(涙

というわけで、この絵をじっくり見ようと思ったら、前回のエントリの「おまけ情報」として書いた「入場締めきり後に再入場」の手をオススメ。ラスト30分はどんどん人がいなくなるので、ゆっくり見られます。

…と、こんな風に書くと、私この絵がものすごく好きな人みたいですが(いやまあ嫌いじゃないけど)、この絵を見ると、「好き!」という気持ちよりも先に、違和感を覚えてしまうのですよね……。

jakuchu_byoubu_ss.jpg

この絵のポイントは、なんといっても「升目描き」。アップで見ると絵が細かい格子に仕切られているのが分かると思います。BRUTUSの若冲特集ではプライスさんが、この絵をタイルで模写した特別のお風呂に入ってる写真が掲載されてましたが、まさにタイル絵。こんなタイル絵の銭湯があったら、行ってみたいです(笑)

で、上に書いた違和感の内容なんですが、ぶっちゃけ「これ、ほんとに若冲?」と。

……いや、代表作に向かっておそれおおいと思いますよ私だって。でもこの絵、構図にも描き込み方にも、他の絵に感じられるような、“やりすぎ感”がないんですよね…。全体のキッチュな感じは嫌いじゃないんですが、「ここまでやるか!!(驚)」と観た者に感じさせる、あのパワーが感じられないんです。

若冲にしては書き込みがあっさり、という点であれば、上の鶴の絵の屏風だって同じです。でも、あの鶴の絵の屏風は「あれだけ描き込む若冲だからこそのあの線」と思えるのですが、この絵に関してはそう思えないんですよね……どうしてなんだろう?

この絵を見ながらそんなことを考えていたのですが、家に帰ってきてから若冲関連のサイトをいくつか読んでいたところ、「この絵は若冲の作ではない」としている専門家もいることを知りました。そうか、あの絵に違和感を感じていたのは私だけじゃなかったのか……と、ちょっと安心した(?)次第。

升目書きという技法自体は面白い絵だし、私はこの絵一点しかまだ観ていない。静岡県立美術館にある「樹花鳥獣図屏風」も観てみたいな、と思っていたりします。んー、用事作って静岡行ってくるかなーー。

●葡萄図budou_jakuchu.jpg

プライスさんを江戸絵画コレクションの道に引きずり込んだ運命の1枚、若冲「葡萄図」も展示されています。「ほほー、これかー」と思って見てください。

大学の卒業祝いに、メルセデスのスポーツカーを買おうと思っていたんだけど、この絵が気になって気になって仕方が無く、ガルウィングはやめてこの絵を買って、それ以来伊藤若冲を中心に、江戸絵画のコレクションにいそしむようになった、という運命の一枚。

しかも最初のうちは、誰が描いた絵なのか、なんていうのはまったく気にしないで、ピンと来た絵を適当に買っていたそうなんですが、そうやって集めていた絵は、ことごとく若冲の絵だった……というからすごい。

その「スポーツカーを買おうと思ってたお金でポンと絵を買っちゃった」とかいうのが、いかにもアメリカの大金持ちらしい鷹揚さというかなんというか…なんとも面白いなあと思ってしまいました。

絵自体は、若冲が若いころの作品なのだそうです。若冲の絵にしてはさっぱり(水墨画だしね)してますけど、でも空間の使い方というか構図の作り方に、なんとなく若冲らしさが出ているような気がします(思いこみ?)。

他にもいろいろあるんですが、あまり長すぎるのもなんなので、とりあえずこの辺で。多分そのうちまた見に行くので、そのうち続編を書くこともあろうかと思います(迷惑?^^;;)

今回のプライスコレクションでは、若冲の水墨画をいろいろ観られるのが良かったなーと思います。動植綵絵みたいに高い絵の具でものすごく描き込んだ絵もいいけど、水墨画もいいですよ。彼の構図の独特さが感じられて、よかったです。

それにしても……どうしてこんなにハマっちゃったかなあ。来年5月12日から6月3日まで、相国寺釈迦三尊像と一緒に動植綵絵30幅、合わせて33幅一挙に展示!という展示があるんですよね……。あと、京都国立博物館が持っている野菜の涅槃図も見たいんですよね。すごいですよこの絵。お釈迦様が大根なんだから、大根(笑)

…京都、行きたいなあ。行っちゃおうかなぁ。誰か一緒に若冲見に行く人、いないかなあ(^^;

=======================================================================
【お願い】迷惑コメントが多すぎてサーバーに負荷をかけてしまうため、
現在コメント受付を停止しています。コメントを下さる方は、お手数ですが
BBSに書き込んでいただけますか?
よろしくおねがいいたします!(トラックバックは従来通り受けつけています)