ayanologはてな館

主に東京の東側で暮らしている私の日々を、ごはんやおやつの話を中心につづります。ayanoのblogなのでayanolog。夏の間はかき氷専門ブログ「トーキョーウジキントキ」もやってます。2013年10月に、はてなDiaryからHatena Blogへ引っ越してきました。

粋のない下町にて その2

タコちゃんと行った謎の会合、2回目。1回目についてはこちらを見てね。今回のメンバーは、前回と同じくタコちゃん、morioさん、ワタシと、あとタコちゃんの弟さん。

今回の舞台は東京・三河島。三河島は東京でも有数のコリアンタウンで、駅を降りるとほとんどの看板がハングル文字だったり。しかし三河島といって分かる人が何割いるのだろう……そして、降りたことがある人がさらに何割いるのだろう……と思いつつ書く。前に千駄木に住んでたころ、苺屋のケーキを買いに日暮里から何度か歩いたなあ。でも、最近私が三河島に行った用事は2回連続で「山田屋」。今回も山田屋のお話。

※ちなみに三河島は、日暮里から歩いてもそんなに遠くないところ。常磐線でいくと日暮里-三河島-南千住-北千住、という順番です。

yamadaya.jpg

前振りが長くなったけど、そんなこんなで三河島の名店「山田屋」のホルモン。以前にも書いたとおり、むちゃくちゃおいしい。普段あまりホルモン・モツ類を食べる機会がないんだけど(好きなんだけどね)、ここにくるといろいろ食べちゃいます。生で食べるメニューもいろいろあって、しかもそれがどれも旨い!

今回の会合のテーマは「東東京から東京から考える」。“から”が2回続くのは変じゃない? と思うのが普通のセンスだと思うけど、これでいいんです。というのは、お題が↓だから。

東京から考える―格差・郊外・ナショナリズム
東 浩紀 北田 暁大
日本放送出版協会 (2007/01)
売り上げランキング: 5134

東京「について」考える、ではなくて、東京「から」考える、なところがこの本のポイント。東浩紀北田暁大は二人とも71年生まれの団塊ジュニア世代。青葉台という東京の西側の住宅地に育ち、渋谷に通っていた東浩紀と、藤沢で育ち、その後上福岡、柏、町屋などに住んだ北田暁大の見た東京の風景を通して、さまざまなテーマについて話し合う。

住んだことがある方なら分かると思うけど、東京というのは、そこそこの規模を持ったエリアが積み重なってできた、巨大なモザイク都市なんですよね。一言で「東京」といっても、例えば浅草と新宿と渋谷と品川と下北沢と中野と吉祥寺と中目黒と八王子じゃまるで違う街。どこで住んだか、過ごしたかによって、その人の東京観はまるで違うはず。

 1.渋谷から都市を考える
 2.青葉台から郊外を考える
 3.足立区から格差を考える
 4.池袋から個性を考える
 5.東京からネイションを考える

……という章立てを読んでもどんな内容なのかはよく分からないと思うので、いくつかキーワードを挙げておくと、「都市のセキュリティ」「ジャスコ化/国道16号線化」「ジャスコ-TSUTAYA的空間」「青葉台的イメージ」「中央線的サブカルチャー」「下北沢再開発問題」「渋谷はロールプレイングゲーム的」「共同幻想」「都市のディズニーランド化」「格差問題」といったところかなあ。

今回の会合は、この本をテキストにして東京について語ろう、という趣旨だったんだけど、morioさんは大阪の人(今は東京暮らしだけど、東京と呼ぶにはちょっと抵抗を感じる、かなり端っこのしばしば神奈川と一緒にされるエリアにお住まい)だし、私とタコbros.はバリバリの東東京出身者だしで、相当偏った展開になってしまった。ホントはそれこそ中央線沿線とか東急沿線とかに住んでいる人を交えて、いろんな角度から話し合うべき話題だったと思うんだけど(苦笑)

参考リンク:
タコ壺:“「東京から考える」から東京から考え中”“ノーフューチャーな東京僻地にて”
東京たるび:“東京から考える会”

「東京から考える」は相当面白い本だし(テンポが良くてサクサク読める)、さまざまな話題に言及していて、「これを読んだ人同士で話し合いたくなる」という魅力の詰まった本だった。去年ネットで話題になった「子猫殺し」とか、三浦展の「ファスト風土」なんかの話題も出てきてたなあ。上で挙げたキーワードに反応した方には、ぜひぜひ一読をオススメ。読んで面白ければきっと東京について話し合いたくなると思うので、そしたらまた、どこかで会合をひらきましょ……ダメ?(笑)

追記:私とタコちゃんはモノの感じ方や考え方が非常に似ているという意識があるんだけど、この日めずらしく“違うところ”を発見。私は東京に関する話題の雑誌といえば断然「散達」を愛してるのだが、タコちゃんは「東京人」派だった! 「男性の好み」だけかと思ったらこんなところにも違いがあったのね〜(笑)


山田屋
荒川区東日暮里3-18-10  TEL:03-3807-6787   
営業時間:17:00-22:00、定休:月曜・第3火曜