ayanologはてな館

主に東京の東側で暮らしている私の日々を、ごはんやおやつの話を中心につづります。ayanoのblogなのでayanolog。夏の間はかき氷専門ブログ「トーキョーウジキントキ」もやってます。2013年10月に、はてなDiaryからHatena Blogへ引っ越してきました。

映画「未来予想図 〜ア・イ・シ・テ・ルのサイン〜」

某イベントの賞品として我が家にやってきた、映画の招待券2枚。タイトルの「未来予想図」がドリカムのあの曲だということが分かれば、ストーリーもおのずと分かる映画である。自分でチケット買って映画館で観ることはまずない、それどころか、テレビでやってても観ないだろうなあと思いつつ、しかしせっかくチケットをいただいたのだし、と映画館へ行ってきました。

大学生のさやかは学生映画の制作をきっかけに、慶太と出会った。建築家を目指して迷いなく進む慶太にさやかは惹かれ、やがて2人は恋人同士に。卒業後、慶太は設計事務所に、さやかは印刷会社に勤め始めるが、出版を希望していたさやかは今の仕事に満足できない。そこで一念発起し出版社へと転職し、自分の夢の第一歩を踏み出す。そんな時、慶太に海外転勤の話が持ち上がり……。

DREAMS COME TRUEの「未来予想図」「未来予想図II」――多くの人の胸に残るこの2つの名曲をモチーフに作られた作品。1人の女性が恋愛や自分の夢、パートナーの夢の間で悩みながらも、自らの描いた未来へと進んでいく姿を映し出す。主人公の宮本さやかを演じるのは松下奈緒。大学生から大人の女性へと変わっていくさやかを自然体の演技で表現した。竹財輝之助もさやかの恋人・福島慶太役で爽やかに演技をみせる。そんな2人の周囲を松坂慶子石黒賢加藤雅也原田泰造西田尚美ら実力派、個性派の俳優陣が固める。

身の回りで観そうな人の顔も思い浮かばないし、普段あまりポジティブなことをかけないことはblogネタにしないのですが、しかしいろいろと突っ込みどころが満載すぎて、感想を書かずにはいられなくなってしまいましたよ。

以下、この映画が楽しみでたまらない人、これから見ようと思っている人、主演松下奈緒竹財輝之助ファンは読まないことをお勧め。

この映画、映画館で観るより、テレビ画面でギャグ映画としてみたほうが断然楽しめると思う。いやもうねえ、5分に1回くらいのペースで突っ込みどころが出てくるんだもん。映画館で観てるんでなかったら、「なんじゃそりゃ!」と画面に突っ込むorとなりにいる人に話しかけられるのにねえ。

映画で描かれているのは、1997〜2007年の約10年。主役の二人は97年に大学生だったという設定なので、子役とかが出てくるわけではなく、大学生役も社会人役も1人の役者が演じてます。以下、見所というか突っ込みどころ。

  • 主演の松下奈緒がとても大学生には見えない。びっくりするほどラフな服装が似合っていない
  • 二人が知り合うシーンにも、卒業旅行でスペインに行くシーンも、かけらも感情移入できない
  • 星がきれいに見えるところ(見るからに合成)にバイク二人乗りで行って、「ヒ・ミ・ツ」「何だよう〜」みたいなやりとりされてもなぁ……
  • スペインの卒業旅行のシーン、ガウディのサクラダファミリアについて男の子がいろいろ語るのだが、せりふの順番がどう考えてもおかしい。脚本が変なのか、編集しすぎて矛盾に気付いていないのか……
  • このスペイン卒業旅行のシーンがホントに適当。スタッフが旅行したかっただけなんだろうなあ。
  • 10年間、各シーンで出てくる携帯(ドコモ)がその時々に合っていて懐かしい。ドコモ、GJ。
  • でも出てくる携帯が全部ドコモなのは、ホントは違和感。97年に大学生だった世代って、一番au率が高い層だと思うんだけどなあ。
  • 印刷会社の一般職から雑誌編集者へ転職を果たす主人公。転職シーンが長々と描かれるんだけど、彼女の答えにはまったくキラリと光るところがなく、なぜ彼女が受かったのか謎。「何をやりたいの?」「人間って面白いじゃないですか。いろいろいる人間を描きたいんです」云々。しゃべってることに、カケラも具体性がないんだよねぇ。その答えで受かる出版社はないよ……というか私が面接官なら、悪いけど速攻落とす。
  • 無事、女性誌の編集者になったさやか嬢。初仕事を彼に見せるんだが……そんな囲み1個だけの原稿、編集者が書いたんだったら名前は載らないって(^^;
  • さやか嬢はバリバリと働くのだが、いつも手入れが大変そうな髪型に超おしゃれな服装、ばっちりメイク。いや、現実の編集者にはそれ、無理だから……。睡眠とシャワーとどっちを取るか迷い続けるような生活のなかで、そんなにきれいにしてられないのよ……むしろ【送料無料】働きマン(1) [ 安野モヨコ ]のほうが現実に近い。
  • 自宅のソファでくつろぎながらPDAっぽいものをさわっているさやか嬢。何かと思ったらイーモバイルのEM・ONE!!!女性誌編集者らしからぬヲタクぶりにちょっと引く。
  • 携帯(SO903i)とPowerBookEM・ONEを持ち歩くさやか嬢。どんだけモバイラーなんだよ!
  • とはいえ、そんなさやか嬢(松下奈緒)は非常に美しい。彼女どう見ても20代後半なんだけど、実は22歳と知って心底驚く。
  • そういえば、イーモバイルのCMって松下奈緒だったもんな。「イーモバイルで指きたっす♪」とか寒いCMであった……(思い出話)
  • 一方、建築事務所で働き、スペインにまで行ってしまう福島青年は、いくつになっても大学生みたいで頼りない。
  • 出てくるパソコンは、出版社も建築事務所も全部Mac(多分PowerBook)。ありえないだろー。
  • 松坂慶子はさすがの貫禄なのだが、福岡弁がかなり苦しい。
  • 社会人数年目、独身一人暮らしのはずの主人公の友人(男性)が乗り回している車は、なぜか巨大な「オデッセイ」。子供もいないのにどうして……?
  • スペインに旅立つさやか嬢。ど、どうして直行便に乗らずに、フランクフルト経由なの……???
  • スペインで福島青年に現地の妻と子供ができたと勘違いして傷心のさやか嬢は日本に帰るのだが、その後妻子についての誤解を解かないままに日本で再会した二人は固く抱き合うのだった。……ちょっとまて、それは最初っから不倫OKってことじゃないのか?

……ああ、ちょっとだけにしようと思ってたのに、たくさん書いてしまった。私はエンドロールを観ずに出てしまったんだけど、その後、まどぎわ通信さんの映画レビューを観ていろいろ謎が解けたのでした。

協賛やら企画やらの形で、ANA、HONDA、ゼクシイ、とらばーゆが絡んでいるらしい。ああ、だから直行便に乗らずにフランクフルト経由だし、でかいオデッセイを独身男性が乗り回すし、結婚式シーンと転職シーンが長いのね。激しく納得。しかも、エンドロールのあとに、まるまる一本ドリカム「ア・イ・シ・テ・ルのサイン 〜わたしたちの未来予想図」のPVが流れて、「映画のその後」が描かれるのだそうだ。知らなかった……(苦笑)

いろいろ書いたけど、私にとって唯一「観て良かった」と思ったのは、ネプチューン原田泰造は演技が上手いということを知ったこと。いやぁ、来年の大河ドラマ天璋院篤姫」で大久保利通役を原田泰造が演じることになっていて、すごく心配だったんだもの。その昔「翔ぶが如く」で鹿賀丈史が演じていた大久保利通が大好きだった身としては、ねぇ……。

新装版 天璋院篤姫(上) (講談社文庫)新装版 天璋院篤姫(下) (講談社文庫)

ア・イ・シ・テ・ルのサイン ~わたしたちの未来予想図~

ア・イ・シ・テ・ルのサイン ~わたしたちの未来予想図~