ayanologはてな館

主に東京の東側で暮らしている私の日々を、ごはんやおやつの話を中心につづります。ayanoのblogなのでayanolog。夏の間はかき氷専門ブログ「トーキョーウジキントキ」もやってます。2013年10月に、はてなDiaryからHatena Blogへ引っ越してきました。

「流しの写真屋 渡辺克巳 1965-2000」展

私の好きな写真家の一人、渡辺克巳。残念ながら数年前に亡くなってしまった。新宿をテリトリーとし、そこにいる人たちを撮り続けた人だ。

その渡辺克巳の写真展を外苑前のワタリウム美術館でやっているとzoomaniaさんのblogで知り、しきはんさんの針穴写真展のあと、はしごで行ってきた。

彼の写真に出てくる人は、新宿、それも歌舞伎町で生きる人たち。だから被写体はみな、ソープ嬢(昔はトルコ嬢か)にゲイ、ヤクザ、チンピラなどなど堅気じゃない人ばっかり。私の知らない世界・・・なんだけど、でも実にリアルなんだよなあ。生活感が漂う、というと違う意味になってしまうか、生きているリアリティが漂っている、“生”がビシバシと伝わってくるポートレートばかりなのだ。

で、写真の中に漂っている昭和の薫りがまた、たまらない(前にも似たようなことを書いたような気がするが)。キャバレーとかスナックとかの店構えや看板に、いちいち「ああ、この感じ、懐かしい!!」と言葉にならない気持ちになってしまうのだ。昭和40年代の新宿歌舞伎町なんて私は知ってるわけないんだけど、でも子供のころに見た、亀戸や錦糸町といった場末の歓楽街(という表現で正しいんだろうか)の風景は覚えてて、写真がその記憶を蘇らせるんだよね。

3フロアをびっしり使っていて、展示はかなりのボリューム。彼の最初の個展「初覗夜大伏魔殿」を再現するように、床や壁が写真で埋め尽くされた一角もあってそれもまた面白い。ちなみに吹き抜けスペースの上のほうに張られている写真(上の階からじゃないと見えない)がまたいい写真なんだよなあ。

ちなみにチケットは、期間中何回でも入れるというもの。良いね〜、こういうの。

殴られ屋

殴られ屋


渡辺克巳の被写体の一人だった、歌舞伎町の“殴られ屋”こと晴留屋明(ハレルヤ・アキラ)。殴られ屋というのは、歌舞伎町でお客さんにお金をもらって「殴らせてあげる」商売のこと。以前読んだ彼の本も面白かったので、いっしょに紹介しておきます。