ayanologはてな館

主に東京の東側で暮らしている私の日々を、ごはんやおやつの話を中心につづります。ayanoのblogなのでayanolog。夏の間はかき氷専門ブログ「トーキョーウジキントキ」もやってます。2013年10月に、はてなDiaryからHatena Blogへ引っ越してきました。

写真展「ひかりのなかに」〜わが娘たち〜

銀座のキヤノンギャラリーで開かれていた「ひかりのなかに〜わが娘たち〜」を観てきました。横木安良夫さんのblogで知って、興味を惹かれたのです。

これは、赤松幸生さん、猪原秀己さん、下園昌彦さんという3人のお父さんが、それぞれ自分の娘を撮った写真を集めた写真展です。三人ともカメラ雑誌のコンテスト入賞常連というハイアマチュアというかセミプロというか、という方々なので、当然普通のお父さんたちが自分の娘を撮った写真とはレベルが違う……なんて話をしたいのではなくて。

面白いことに、3人の写真がかなり似てるんですよ。もちろん違う人が撮ってる写真だし、それぞれ得意な構図とかシーンがあるので、よく観るとそれぞれに特徴があるのだけれど、全体的には同じトーンが流れていて、はっきり言って「似てる」。私がみてたときも、他のお客さん数名から「誰が誰の写真か分からないですね」「どこからどこまでがどなたの写真ですか?」といった声が聞こえてきました。

どうして似てるんだろう? 多分その答えは「父の視線、父の視点」。女友達が撮る子供の写真とは明らかに視点が違う。仮に私に娘がいたとしても、こういう写真は撮らないだろうなあ……と。


父の視点と母の視点、一番の違いは「距離感」ではないかと思います。複数の友達が言っていたことですが、特に小さい子供は母親に向かってすぐに寄ってくるので、写真を撮ろうと思っても近すぎてしまうんだそうです。うん、分かる気がする。無理矢理撮ると、ひたすら子供のアップで、同じような構図の写真ばっかり、と嘆いていたのも聞いたことがある。

あともう1つ思ったこと。父親から見た娘は「子供」であると同時に、ときどき「女」なんですね。展示されている写真の中にも、ちょっと無理矢理に感じるくらい女っぽく撮っている写真があって、自分にも父親がいる“娘”としては、「もしこれが自分の父親だったとしたら……」と想像するとちょっと恥ずかしくなってしまったのでした。一方、母親にとっては、子供はいつまでも子供なんだろうな……と、友達が撮る子供写真を見ていると思います。息子を撮っても、そこに男性性を感じることってほとんどない。

かつて写真を撮られるのが大嫌いだった子どもだった私。思わず帰り際に聞いてしまいました。「写真を撮っていて、娘さんに嫌がられることはないですか?」と。すると答えは「嫌がられるときもあるので、そういうときには無理して撮りません」「でも、写真撮るのはお父さんの趣味って、あきらめてくれてるみたいです」とのことでした。なるほど……(笑)

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