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主に東京の東側で暮らしている私の日々を、ごはんやおやつの話を中心につづります。ayanoのblogなのでayanolog。夏の間はかき氷専門ブログ「トーキョーウジキントキ」もやってます。2013年10月に、はてなDiaryからHatena Blogへ引っ越してきました。

会田誠展@六本木ヒルズはいろんな意味で凄かった

2012年度最後の1日、3月31日。まずは東銀座に行ってナイルのカレーを久し振りに食べ、銀座シネパトスとその下にある三原橋地下道の最後の1日を見学してきました。午後、おやつ時から出かけたのはこちらも最終日の、六本木森美術館会田誠 天才でごめんなさい」。

会田誠展@六本木ヒルズ

会田誠、名前はあちこちで聞く人気作家ですがちゃんと作品観たことなくて。今回初めてまとめていろんな作品を観たんですが……いやぁ、凄かった。いろんな意味で。以下、思ったことを簡単に箇条書きで。

  • 観るのにものすごくパワーが要る。
  • 美少女がモチーフの作品が確かに多いし印象的なんだけど、それだけじゃなかった
  • 戦争シリーズが良かった。ニューヨークの摩天楼の上を零戦が八の字飛行とかシュールすぎる
  • 新宿御苑を作り替える妄想の黒板書きも結構好き
  • 子どものころに描いたポスターを再現する企画、会場にいる人のうち結構多くが「昔描いたものをそのまま持ってきた」と誤解してた疑惑
  • マンガっぽい作品が有名だけど、画家としての画力も凄いと知った。実はレベル高い……
  • 性的な作品、暴力的な要素が強い作品は「18禁部屋」に隔離されて展示されてた
  • 長編マンガ(エロ&ナンセンス系、絵柄はギャグっぽい)があったけど読むのに疲れて最後まで読み通せず。
  • 例の四肢を切られて包帯巻いて首輪つけて微笑んでる少女の絵もここで展示。なんか噛みついてた団体があったらしいけど、ゾーニングしてるんだから別に問題ないんでは?
  • でも個人的には、ここの部屋の作品よりもむしろ「ジューサーミキサー」とかのほうが見ててツライ。これこそ18禁部屋に入れてほしいかも

今回、一緒に行った友人は最初会田誠展に行こうと誘ったら「かなりヘンな美少女エロ作品の人でしょ、というか相当な変態だよね」みたいなことを言ってかなり難色を示していたくらい。たしかに結構な数の作品がエロといえばエロだったわけですが、でもあれ見て性的な興奮を覚える人ってほとんどいないと思うんだよね……うまいこと表現できないのですけれど。あと、箇条書きの一番上に思わず書いてしまったけど、とにかく見てるだけでも非常に体力を使う。会場を出たときには、珍しくカラダもココロも疲れ果ててくたくたでした……。

会田誠展@六本木ヒルズ

こうして思い返してみると、もう一つ感心するのは「圧倒的な分かりやすさ」。彼の評を聞いてると、非常に多くの人が「好きか嫌いか」で語ってるんですよね。現代美術ってほとんどの場合「何を伝えたいんだか分からない」問題というのがあって、ひとしきり観終わった後に「何が伝えたかったんだろう」「良さが分からない」「難しい」みたいな話になりがちなわけですが、おそらく会田誠の作品を見て「難解すぎて分からない」という人はいないと思う。ほとんどの現代美術家が超えられない「分からない」の壁を軽々と飛び越えて、その上で「好き」「嫌い」の土俵に持ち込んでしまうこの人の力量って凄いな、と改めて思ったのでした。

それにしても……森美術館に集う、意識高そうな(あるいは賢そうな)人達が、非常に真面目な顔でエロ要素満載な作品を真剣に鑑賞している図そのものがとてもシュールだった。どの作品よりも、あの光景こそが一番面白かった……かも。

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