ロールケーキの思い出
秋になるとどうも,芋&栗モノのお菓子の誘惑が強くなりますね。
コンビニで見かけるたびに「うっ,おいしそう…でもやめとこう…」と思ってたのが,山崎パンの「焼きマロンのロールケーキ」。
誘惑に負けて,結局買っちゃいました(^^;
甘そうなので,ちょっと濃いめに抹茶をたてて,疲れてる日の朝ごはん。
味は…うーん,普通のロールケーキのほうが好きかなあ。ロールケーキ食べながら,甘栗食べてる感じです(笑)
ところで,ロールケーキというと思い出すのが,キハチの「トライフルロール」。
高校生の頃,受験のためにとある塾に通ってたんですが,そこで先生がケーキをおごってくれたのです。「ここのケーキはすごくおいしいんだぞ」といって先生が取りだしたのがキハチの箱でした。友達二人と私と,女子高生三人はキャーッと喜び,教室でトライフルロールにかじりついた…のですが。
トライフルロールって,柔らかい生地に,たっぷりめのフルーツと上品なクリームが巻いてあるロールケーキなんですが,結構洋酒が効いてるんですよね。私は心の中で「おいし〜〜い!食べたことのない味!」とか思って食べてたんですが,そのとき友達二人がぼそっと言ったのでした。
「センセー,このケーキちっとも甘くないよ」
「おいしくなーい,普段食べてるケーキの方がおいしい!」
心の中で「え?すっごくおいしいと思うけど…」と思ってどぎまぎする私。先生は憤慨したような顔で「そんなことないだろう。ここのケーキ,高いんだぞ」などと言いながら私の方を見ます。友達は友達で私の方を見ているし…困った。
実はこの先生,肌は黒く焼いててひげも生えてるんだけど,でもどことなく女っぽい感じのナヨッとした人で,生徒の間では「気持ワルイ」と言われている人でした。対する友達は,クラスの女王様というかなんというか,声も大きいし,リーダー的存在の活発な女の子たち。
「おいしくないよねえ,甘くないし!」と彼女たちに同意を求められ,私は困りながら「うん…あんまり甘くなくて,ケーキっぽくないかも…」と言ってしまったのでした。
今でこそあちこちのデパートに出店しているキハチですが,このころはまだ,青山くらいにしかない,おしゃれなケーキ屋さんでした。でもそんなことは知らなかったし,ここのケーキを食べたのはそのときが初めて。友達に嫌われたくない,というのもあったけど,自分の舌にも自信がもてなかったんですよねえ。おいしいと思ったけれど,なにしろ初めて食べる味。これがおいしいと思ってしまう私はおかしいのかな,って。
ロールケーキ,そんなに好きってわけでもないのですが,たまにふっと食べたくなります。で,フォークでケーキをつつきながら「先生元気かな〜。あのときは悪いことしちゃったなぁ…」などと,遠く女子高生時代を思い出してしまう私なのでした。
今ならきっと,周りがみんなで「おいしくないよ!」と言ってたとしても,「そう?私はこの味,好きだよ〜」ってシャラッと答えちゃうだろうなあ。オトナになるって,そういうことかも。