「東京-ベルリン/ベルリン-東京展」@六本木森美術館
5/7までだから、もうすぐ終わっちゃうよ〜!ということで、六本木ヒルズの森美術館でやってる、「東京-ベルリン/ベルリン-東京展」に行ってきました。
「日本におけるドイツ年」のラストイベントということで、展示は11セクション、点数500点というかなりの大規模展覧会です。私は時間がなかったのでかなり駆け足、終わりの方は全然まともに見られませんでした。見に行く方は2時間くらいみておいたほうがいいですよ。
東京とベルリンという2つの都市で、どのように文化が影響しあい、人が交流したか。現代文化の近代史の中で探る二都物語……というコンセプトの企画展です。
そんな感じでしっかりしたコンセプトの上になりたっているイベントなんですが、それにも関わらず、見た者にはなんとも混沌とした印象が残ります。
だって、出てくる人たち多すぎる(^^; 展示点数も多すぎる(^^;;
第一セクションだけで企画展成り立つくらいなんだもの…それが11セクションも…すべてが同じ濃度なわけではないけれど、それでもお腹いっぱい、もうダメ、って感じ。
11セクションは、以下の通りです。
- ベルリン-東京 1880-1914 異国趣味と近代の意識
- 「シュトゥルム木版画展」 東京 1914年 前衛の衝撃
- 東京-ベルリン 1912-1923 美術と建築の新しいヴィジョン
- 衝突する文化 1918-1925 ベルリン・ダダ、東京の「マヴォ」とロシア革命の影響
- モガとモボ 1920年代のベルリンと東京のモダンガール、モダンボーイ
- 「独逸国際移動写真展」 1929-1931 写真の新たなアプローチ
- バウハウスとブルーノ・タウト 1930年代の建築とデザイン
- 暗黒の時代 1931-1945 独裁制、抵抗、戦争
- 復興の時代 1945-1950年代
- フルクサス、ポップアートと新表現主義 1960年代の前衛芸術
- ベルリンの今 壁崩壊後の現代美術
一番濃度が高いのは第一セクションでしょうか。「モガとモボ」も面白かったな。「独逸国際移動写真展」は、Photoshopが普及し、CGが当たり前になってしまった現在ではあまり感動はなく…。
繰り返しになりますが、ほんとに盛りだくさんすぎておなかいっぱいです…でも、エルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナーの「ポツダム広場」とか、岡本太郎の「重工業」とか、これだけを見に行ってもいい、という作品がなにげなく紛れ込んでいるので(それもたくさん…)、興味ある方は是非みにいってみてください。これだけのものを、きっとものすごい数の美術館から借り出したのだろうと考えると、企画担当者の熱意と交渉力に脱帽です。
ドイツ側のアーティストには私はあまり知った名前がなかったんですが(おはずかしぃ)、日本側は岡本太郎、赤瀬川原平、川端龍子、岸田劉生、村山知義、名取洋之助、横尾忠則、草間彌生、桑原甲子雄などなどなど。絵画から写真から立体までいろーーーーーんなものがあります。個人的に一番印象に残ってるのは、岡本太郎と、あと村山知義の舞台装置かなあ。
あと、やっぱり私は東京が好きで、建物写真が好きなんだなあと改めて。そういや、生まれも育ちも東京なのに、いまも飽きずになんだかんだと出かけては、いろんなところで写真撮ってるもんなあ…建物メインの街写真大好きだしなあ…などと。
ベルリンという街を知っていたら、きっともっと楽しかったんでしょうが、知識がないことが非常に残念でした。やっぱり、知っているものについての展示は燃えますからねえ。
そういえば一つ気になったことが。展示解説が日本語と英語だけなんですよ。ドイツ語入れればいいのに…。ドイツ語話してるお客さんが結構いただけに、余計そう思いました。
佳作的に面白かったのが、中の1スペースを借り切っている「MAMプロジェクト第4弾 チェ・ウラム」展。
金属で作った、昆虫のような不思議な生命体もどきの作品です。この写真だと全然きれいじゃないですが、実物は結構大きいし、とてもきれい。CGをそのまま現実化したような幾何的な美しさ、メタリックな輝き&質感がなんともイイ!です。これは是非実物を見ていただきたいなあ。
でね、この昆虫もどきたちが動くんですよ!ゆっくりと、結構複雑に。中身は透けて作ってあるので、関節部分とかの動きもすべて見えるのがスバラシィ。
工作好き、昆虫好き、金属好き属性の方には是非是非見ていただきたいなあ。一緒にこんなのも展示してると思わなかったので、意外な出会いですごくうれしかったです。