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主に東京の東側で暮らしている私の日々を、ごはんやおやつの話を中心につづります。ayanoのblogなのでayanolog。夏の間はかき氷専門ブログ「トーキョーウジキントキ」もやってます。2013年10月に、はてなDiaryからHatena Blogへ引っ越してきました。

勧めたいけど勧めたくない映画――「リトル・ミス・サンシャイン」

こことか、こことかを読んでとっても気になった映画「リトル・ミス・サンシャイン」を見てきました。

ヘロイン中毒のおじいちゃん、ゲイで自殺未遂のおじさん、一言もしゃべらない兄、独自の成功理論に取り憑かれてるお父さん、唯一マトモなお母さん……美少女コンテストを目指すオリーブの家族は筋金入りの変人揃い。しかし美少女コンテストで地区予選2位になったオリーブのところに「1位の子が権利を喪失したので繰り上げで地区優勝」との連絡がきたため、家族はおんぼろな黄色いバスにのって、全国大会の会場を目指すことになります。

車の中でも会話ははちゃめちゃ。狭い車内であんなやりとりされたら、絶対参っちゃう、ってくらい。しかも家族を襲うトラブルの数々。果たしてオリーブは無事に全国大会に出場できるのか?というストーリーを書くと「なんだそりゃ!?」って感じなんですけど、でもこの映画、私にはかなりとっても激しくツボでした。

ネタバレになっちゃうけど、特にラストシーン。爆笑しながら涙がポロポロというかつてない体験に、なんとも不思議な気持ちになったのでした。いやぁ、いいもの見たわぁ……

と、ここまで書いてきてナンですが、私としてはこの映画、お勧めしたくないんですよ。普段なら「よかったら是非見て!」と書くところなんですけど。

まず理由の1つは、好き嫌いが結構わかれそうだなあと思うから。R-12指定になってるのもまあ分かるね、ってくらい下ネタもちりばめられてるし。私としてはあちこちに仕掛けてある笑いがかなりツボだったので、非常に面白かったんですけど。

二つめは、あまり先入観持たずにみてほしいから。感動大作ではないので、泣く気でいくときっとスカされます。逆にバカ笑いするつもりで行っても違うと思うし。「ひねりの利いた低予算映画」ですから、あくまでも。

とかいいながら、上にも書いたようになんとも不思議に面白い映画でした。小道具は効いてるし、音楽もツボだったし、あとはなんといっても、ラストシーンのあの“爆笑しながら涙ボロボロ”な感覚はなんといっても初めてだったし。

タコちゃんとこの感想にも書いたんですが、私はゲイのおじさんが一番共感できるかな。あと、おにいちゃんも近所にいたら仲良くしたいタイプ。劇中、お兄ちゃんを妹がなぐさめる(というかはげますというかなんというか…)シーンと、逆に妹にお兄ちゃんが「黙ってハグしろ」と指令を出すシーンがあるんですが、この2つは秀逸でした。

こんなひねくれた推薦でも見てみたくなったら見てみてください。個人的には、この映画が東京で数館しかやらないのは何か間違ってると思うんだけどな。名前は挙げないけど、お金とって上映するような価値もない、しょーもない映画はいっぱいあるのにね。