「ラーメンライスしか食べてなければ、ラーメンライスの知恵しかでない」By 土門拳
寝坊しちゃった祝日の朝(正確には昼)、ダッシュで吉祥寺へ行きました。駅で落ち合ったのはかえるさん。去年の5月に京都旅行をごいっしょして以来の再会でした。うわー、そんなに久しぶりでしたっけ(汗
目的地は武蔵野市立吉祥寺美術館。私が最も尊敬する写真家、土門拳の写真展をやっているのです。前期後期で展示の入れ替えがあり、前期の終わりが迫っている上、「弟子が語る土門拳」と題して藤森武氏の講演があるということでこの日にしたのでした。
ということで藤森氏の講演。藤森氏は[ http://www.ayanosuke.net/mt/archives/2006/03/post_398.html:title=酒田の土門拳記念館]の館長を務めている人物で、元土門拳の内弟子だった方です。藤森氏の語る師匠・土門拳の話は非常に面白く、「へぇ〜!」というエピソード満載でした。
面白かった話はいろいろあったんだけど、なんだろうなあ。たとえば、土門拳は非常におしゃれかつこだわりの人だったんだけど、悲しいかなあまりそうは見えなかったとか(笑)。あと、「シャツはこの店、ズボンはこの店、ベルトはこの店・・・」と仕立てる店を決めており、内弟子にはそこで仕立てた服を必ず着せていたこと。ズボンの後ろポケットには「土門」と染め抜いた手ぬぐいを必ず入れさせてたとか。京都・伏見に常宿があって、そこはふすまに土門拳の写真を使ってたとか。この辺の話は初めて聞いた話だったかな。
あと、私もかえるさんも感心したのが、昼間は仕事に夢中になっちゃって、しょっちゅうご飯食べるのも忘れてるくらいだったんだけど、夜は若くて貧乏な弟子にびっくりするくらいのご馳走というかおいしいものを食べさせてくれたというエピソード。そのときに「ラーメンライスしか食べていなければ、ラーメンライス程度の知恵しか出ない。うまいものを食わないといい写真は撮れないぞ」と言ってたそうな。これからは私も、おいしいものを食べたときは写真の糧だと思うことにします(笑)
結構混んでたので、講演が終わった後お茶して、再入場して見学。勅使河原蒼風との共作シリーズは初見。人物シリーズは一部が初見。あとは全部見たことある写真だったかな。「室生寺」とか「筑豊のこどもたち」は写真集も持ってるんだけど、でも何度見てもやっぱりいいなあ、と。
★武蔵野市立吉祥寺美術館
★かえるさんのエントリもup!私が書いた以外のエピソードはこちらで。そうだそうだ、こんな話もありました。藤森さんの話、いろいろ多岐にわたってたからなあ。