知られざる鬼才 マリオ・ジャコメッリ展
5/6までやっていた、東京都写真美術館「知られざる鬼才 マリオ・ジャコメッリ展」。いやぁ……良かったです。
アマチュア写真家として活動し、どちらも2000年に没したということで、鳥取で砂丘を撮り続けた植田正治と比較して紹介されていたマリオ・ジャコメッリ。植田正治ファンとしてはすっごく気になってました。
植田正治の作品はどことなくコミカルで遊び心があるのに比べ、ジャコメッリの写真には払拭しがたい哀しさというか、「(生と)死」の匂いが濃厚について回ります。ホスピスの写真もそうだし、上の若い司祭たちの写真もそう。司祭達の写真は、チケットの写真だけ見るとスタイリッシュというかポップな写真にも見えるのだけれど、シリーズの他の写真や作品に添えられたコメントを観ると、実はまったく違うことに驚きました。
もっとも印象的だったのは、上の若い司祭たちの写真ともう一つ、聖地ルルドで撮った写真。重い病を背負った人たちが横たわるベッドがズラリと並ぶ様も無言になったけれど、聖地へ向けて行列を成して歩む人たちの写真が凄かった。超ハイコントラスト(白いところは完全に飛んでいて、黒い部分は炭のように濃い)で画面左下から右上に向けて歩いていく人たちの行列は、なんだか天国へ向かって歩いていく人間の行列のようで……。
最後は上の図書館に行って、ジャコメッリの写真集を2冊観て満足。さらに写真雑誌を数冊眺めて「あ〜、仕事じゃない写真撮りたいな〜」としみじみ思ったのでした。月末は久しぶりのmeetupだし、写真撮るぞ!!!と思っています。