ayanologはてな館

主に東京の東側で暮らしている私の日々を、ごはんやおやつの話を中心につづります。ayanoのblogなのでayanolog。夏の間はかき氷専門ブログ「トーキョーウジキントキ」もやってます。2013年10月に、はてなDiaryからHatena Blogへ引っ越してきました。

Moonchild 14年ぶりの再結成公演@赤坂BLITZ(写真追加しました)

20130114 赤坂

2013年1月14日、成人の日の東京は朝から大雪。つぶの大きな牡丹雪がものすごい勢いで降り積もり、朝遅めに起きて窓の外を見ると、真っ白雪景色になってました。「♪ふーりーつーもーるー 雪のーなかー♪」……って、歌ってる場合じゃないよ!! 今日は大事な日なのに!! 絶対何ごともなく赤坂に行かないといけないのに!(写真は午前中の赤坂。クリックすると大きくなります)

そう、この日は1999年に解散したバンド、MOON CHILDの14年ぶりの再結成ライブの日だったのです。実はワタクシ、「Escape」の大ヒットをリアルタイムで知らず、友達からCD(「POP AND DECADANCE」)を借りて曲を聴き、ファンになったのはMOON CHILDが解散したたった2週間後だったという間の悪さ。MOON CHILDのボーカル&ベースの2人で始めた新バンド「SCRIPT」(実はMOON CHILDのギターがサポートメンバーで入っていた時期もあった)は最初期から見ていたものの、MOON CHILDのライブは一度も見たことがなかったのです。

それが、去年の10月に突然(本当に突然)再結成のニュースが流れ、Yahoo!ニュースのトップにまでなって身の回りの音楽関係ない友人知人までその話を口にしており、赤坂ブリッツの再結成公演のチケットは瞬殺で売り切れる、という展開を目の当たりにし、「む、ムーンチャイルドってすごいバンドだったんだな……」と口あんぐり、という感じでここ数カ月を過ごしていたのでした。

もう一ついうと、今回の再結成ライブは、収さん、わりくん、そしてカシーというMOON CHILDの「オリジナルメンバー」で、途中でメンバーになったギターの秋山さんは参加せず、さらにいうならキーボードの河野圭さんもサックスの松本博志さんもいないという点が、気にならなくもなくもなくもなくもない(どっちだよ)という感じもあり。

いや、嬉しいですよ!?一生見られることはないと思ってたバンドのライブが見られるんですから。でも、やっぱりヒロちゃん(秋山さん)が……とか、いや、でもSCRIP活動休止以来見られなかったわりくんのベース弾いてる姿が見られるだけで御の字……とか、もやもやもやもや、と。嬉しいけど素直に喜べないというか、複雑な気分だけどでも超楽しみなような、とか、そもそもまだこの期に及んで信じられなくて現実感ないんですけど、みたいな心持ちで迎えた1/14当日だったのです。そしたら雪。まさかの大雪。

前置きが長くなりましたがそんなこんなでこの日行われた再結成公演。冒頭に書いたとおりの大雪で公共交通が大混乱、赤坂にたどり着けない人達もいる中で、「MOON CHILD Special LIVE 2013『It's a brand-new day!!』」が開幕した、のですが……。以下、長文注意ですのでご興味ある方だけ。


久し振りに赤坂ブリッツに来たけど、舞台が大きくて高さがあって気持ちが良い!そんなステージ上にメンバーが現れた瞬間、上で書いてたようなモヤモヤは全部吹っ飛んで、もうどうでも良くなってしまいました。広いステージに収さんがいて、わりくんが目の前でベース弾いてくれてるだけでもう500%くらい幸せ。うれしい!楽しい!信じられない!

(たしかメンバーの中で一番最後に)現れた収さんは、なんというかものすごく真剣な、なんというか覚悟を決めたような顔をしていて……で、それを見て思ったのです。「収さんにとって、ソロライブとかでMOON CHILDの曲を歌うのと、MOON CHILDの佐々木収として歌うのは別物なんだろうなぁ」って。

もう1つ「ああ、MOON CHILDだなぁ」と思ったのが、ギター持ってなかったこと。普段はギター弾きながらとか、ピアノ弾きながら歌ってることがほとんどなんですが、MOON CHILDはサポートメンバーが手厚いから、収さんは自分でギター弾かずに歌だけに専念できるんですよね(もちろん、ギター持つ曲もあるけど)。これも最近では珍しいことでちょっと感動。

しかし歌い始めてやがて、消そうにも消せない違和感が。なんだか様子が変なのです。「収さん、めっちゃ苦しそう……いつになく声が出てない……」。10年以上収さんのライブ見てますが、ここ数年は明らかに調子が悪いということがなく、今日は調子がイマイチなのかな?というときもなんだかんだで立て直しちゃうのが常だったんですよね。

それがこの日はどんどん辛そうになっていき……声が出てないだけじゃなく、体が自分のいうこときいてない感じで。2曲目か3曲目かの時点で、「明らかに様子がおかしい。高熱を押して出ているのでは?」と気付いてしまいました。もう、見ているだけでハラハラ。私、幸運なことにかなり前のほうにいたのですが、息を呑んでひたすら収さんを見つめていました。足元がふらつき、クルッと一回転してしまったシーンも。えええええ。これ、ステージ続けられるの……?!

途中、ふらふらになりながらレザージャケットを脱いだ収さん。驚いたことに腕に冷却スプレーをかけてもらっていました。えっ、えっ、どういうこと?病気じゃなくてケガ???と頭の中はほとんどパニックです。

病気なのかけがなのか分からないけど、どう見ても体調が異常な収さん。このままステージが終わってしまうのか?と思ったのですが、それを越える驚異の精神力で歌い続け……途中「微熱」あたりは本当につらそうな姿を見せつつも、「requiem for the man of nomad」「ESCAPE」などはビシッと決めていました。このあたり(本編後半)の流れは、MOON CHILDの「COMPLETE BEST」に収録されてるライブ盤の流れに近かった……ような気がしたんだけど、改めてライブ盤の曲順を見直すとそうでもないんですよね。どうしてそう感じたんだろう。本編最後は,外の天気にぴったりな?「Hallelujah in the snow」でした。

驚いた……というか感動したのはアンコール。なんと、「GOLD」が演奏されたんです!!!!!この曲、ムンチャイ解散のちょっと後に発売されたベスト盤「Treasures of MOON CHILD〜THE BEST OF MOON CHILD〜」にだけ収録されている曲で、当然MOON CHILDのライブでは演奏されたことのない曲。私はSCRIPTのかなり初期(まだアルバム出てなかったころ)のライブで1回きいたことあったかな、なかったかな……?というくらいだったから、初聞きの人が多かったんじゃないかなあ。


そんなこんなで大雪&ボーカルが高熱でフラフラ、というかなりの異常事態で始まり終わったMOON CHILD再結成公演。翌日再び病院に行った収さんは「インフルエンザです」との診断を受けたそうです。で、ですね……おそらく収さんにとってはものすごく不本意だったと思うんですが、このライブはBLITZで行われたということで、ライブ音源ダウンロードサービス(2000円だったかな)があったんです。私も買ったけど、聴いてみたけど……もう、聴いてるとあまりにつらくて最後まで聴けなくて……まだラスト3曲聴いてないんですよね。

ライブ音源の即日販売サービス、個人的にすごく関心があったので、今回自分が参加したライブでこれが行われた&実際に買えたというのはすごく嬉しかったんですが、買ったのにまさか最後まで聴けないというオチとは^^;; ……いつになったら聴けるようになるんだろう。

今回の再結成ライブ、「大雪で交通が混乱してる&ボーカルが体調不良なら延期すべきだったのではないか」「体調管理がなってない」などいろんな意見があるようですが……(そして私自身も未だに「延期(でも多分、延期したとしたら平日公演だよね)と決行とどっちが良かったんだろう?」という問いに答えが出ないのですが)、あの状況下でステージをこなした収さんはさすがプロだと思いました。私は前の方だったから祈るような気持ちで見てたけど、後ろの方で見てた人の中には、異常に全然気付かなかった人もいたらしいですし。

それよりも私が一番ひっかかってるのは「そもそも、なぜリーダーのカシーは急に再結成話を進めて、このタイミングにライブをやるって決めたの?」ということだったりします。そしてもう一つ、「ライブ中、再結成についてカシーから一言あってしかるべきだったんじゃないの?」ということも。

最近全然ライブレポまで手が回ってなかったのでブログには書いてないですけど、この時期、収さんは立て続けにソロライブをこなしていました。もともとソロライブが予定があるのは分かってたことで、どう見てもムンチャイ再結成公演は後からスケジュールに割り込んでる。MOON CHILDのサポートキーボードだった河野圭さん(おぢさん)とのイベントのときも「ムンチャイの再結成公演、やるんでしょ? こっちのソロイベントが先に決まってたけど、急にあとから決まったよね」的な発言がおぢさんからあったし。なぜこんな無理な日程にしたの?と、カシーに対して思ってしまうのです。こんな無理な日程じゃなければ、体調だけじゃなくいろんな面で、もっと万全を期すことができたはず。それなのに収さん一人矢面に立つのは何か違うんじゃないか、と。

今回「オリジナルメンバー」という言い方だったけど、ステージ上に立った「MOON CHILDのメンバー」は3人で、もう1人のメンバーであるギターのひろちゃんはいなかったわけです。キーボードのおぢさんも、サックスのまっちゃん(お花来てましたけどね……写真貼っておきます)もいなかった。14年も経って再結成するんだったら、その辺はきちんと調整して呼ぶべき人を全部揃えてやるべきだったんではないか?と、どうしても思ってしまうのですよ。リアルタイムでムンチャイのファンだった人はもっとそう思ってるんじゃないでしょうか。サポートのみなさんは、3人みんな上手かったし良かったけど、それとこれは別の話。

去年の秋に再結成が決まった日、実は私友人と飲んでたんですが、その時にも話題に上ったのが「どうして年明けすぐなんてタイミングなんだろうね?」というのと「再結成ライブをやるのはいいとして、新曲とか出すのかな?」という話でした。話題性があるロックバンドの再結成となれば、夏や年末のフェスにお呼びがかかるはず。もうちょっと早く発表してれば年末の年越しフェスに呼んでもらえたかもしれないけど、夏フェスに呼ぶには早すぎてタイミングが悪い。プリンセスプリンセスみたいに1年と期間を区切ってツアーをやるわけでもなく、再結成公演のあとどうするの?と音楽業界まったく関係ない私ですら思うわけです。

14年ぶりだというのに、無理な日程を組み、当時のメンバーはスケジュールが合わずに全員そろっておらず(断られたのかもしれないけどね)、公演2本やることだけは決まっていたけど(追加公演は告知が全然足りてなかったけど)その後のスケジュールは白紙……こんな形で再結成を仕切ったのがバンドのリーダーのカシーで、それでいてライブ中にも何の説明もなし。どう見ても体調不良でフラフラの収さんにMCも全部しゃべらせて、話をふられてもだんまりを決め込んでいるって、どういうことなのよ、と思わざるをえないのです……。

いけない、ライブレポを書こうと思ってたのに、怒りのあまり関係ないことで終わってしまいました。次はもうちょっとちゃんと、追加公演の話を書こうと思います(反省)。ちなみに途中に貼った写真は、ライブ後に行ったパンコントマテで撮った、かぼちゃプリンです。デザート、えらいこと可愛かった。

20130114 赤坂 20130114 赤坂 20130114 赤坂

左から、まっちゃんから来ていたお花、ファン一同でプレゼントしたお花(私も参加させていただきました。企画者のFさん、ホントにありがとう!)、東日本大震災の義援金ボックス。収さんは盛岡出身ということで、震災以来2年、ライブのたびに募金を募って故郷岩手に送るという活動をしています(詳細はブログで報告)。MOON CHILDがこのタイミングで再結成を決めたのは東日本大震災のことを受けて、今からできることをやろうということもあって決まった、と聞いています。知らない人のほうが多かったはず。そういう話も、ライブでもあってよかったと思うんですよね。