ayanologはてな館

主に東京の東側で暮らしている私の日々を、ごはんやおやつの話を中心につづります。ayanoのblogなのでayanolog。夏の間はかき氷専門ブログ「トーキョーウジキントキ」もやってます。2013年10月に、はてなDiaryからHatena Blogへ引っ越してきました。

映画「シリアの花嫁」

神保町駅A6出口あがってすぐの岩波ホール。前に「Caramel」を観たときに予告編を観て気になってた映画を観てきました。「シリアの花嫁」です。

これ、タイトルにはシリアとあるけど、舞台のほとんどはシリアじゃありません。イスラエルのゴラン高原が舞台なのです。ここに住んでいる、ドゥールーズ派のムスリマが、シリア・ダマスカスに住んでいるコメディアンに嫁ぐという話。


予告編の動画を貼ってみる♪
日本から見ると、パレスチナ問題ってとても縁遠いとは思うのですが……ゴラン高原に住むムスリム(イスラム教徒)は国籍がないんです。イスラエルとしてはゴラン高原に住むムスリムは監視下にある存在。シリア政府の立場から見れば、“不当に占拠されている”エリアに住む国民(でもシリア政府からは国籍を発行してあげられない)

花嫁が嫁ぐ日は、ちょうどシリアで新大統領が就任した日で、ゴラン高原では新大統領を祝すデモが行われたため、イスラエル政府もピリピリしています。そんな中、無事花嫁はシリアに行くことができるのか?ストーリーとしてはそれだけ、なんですが……。

ポイントは、ドゥールーズ派のムスリムたちは、ゴラン高原(イスラエル)を出てシリア国民になったら最後、国籍を得られる代わりにもう帰ってこられないということ。つまり、花嫁は無事に嫁げたらもう二度と家族には会うことができないのです。だから花嫁はまったくうれしくなさそう。結婚相手は写真しか見たことのない見知らぬ男。嫁ぐ喜びよりも、見知らぬ土地へいく不安、二度と故郷に帰れない、家族にも会えないといという悲しみが先に立ち、ずっと不安そうな顔をしているのです。

海外に行くとき、私たちは普通に出国印を押してもらいます。Nationalityのところには迷わず「Japan」と書くけれど、それがどんなに恵まれていることなのか考えさせられてしまいました。

……なんて書くとなんだか高尚な映画みたいですが、クスリと笑わせる場面が随所に配されて、楽しく観られる映画です。個人的には、花嫁の姉役の女優さんがとても美しいのと、女性国連職員二人がむちゃくちゃかわいいのが印象に残りました。とくにフランス人という設定の職員さん役の女優さんは、、むっちゃくちゃキュートだったなあ。

☆シリアの花嫁

追記:「パレスチナ問題ってよく分からない」という方にはここを読むことをおすすめします。→“もしも東京がパレスチナだったら……