2014年に見た映画を振り返る
2014年ももうすぐ終わり。そんなわけで今年最後のブログ更新は、今年見た映画を簡単な感想と共に振り返ることにしようと思います。
基本的にはDVDやテレビで見たものは外し、映画館で見た作品を並べています(最後の2本のみ例外ですが2014年公開作品ということで入れました)。作品名には公式サイトへリンクを貼っています。公式サイトが見つからなかったものは予告編の動画を貼るので、良かったら見てみてください。では以下、感想です。
- ファイア by ルブタン:めちゃくちゃ美しいけれど、それ履いて歩くことを考えただけでも足が痛そうで涙が出そうなルブタンのハイヒール。パーフェクトボディのダンサー達がそのルブタンのハイヒールを履いて……いや、ハイヒールを脚に「まとって」踊ります。「クレイジーホース」のアートなヌードショウをスクリーンで堪能できる80分。素晴らしいけど……ごめん、この日疲れてて、途中寝た^^;;
- ソウルガールズ(予告編):面白かったし劇中の歌もイイ!見ていて楽しい映画。ゲイルの恋の行方はそれほど重要だったの?とか、最後の盛り上がりがそれなの?!それ以上挑戦しないの? とか細かく突っ込み所はあるけど、実話なのだと言われればそれはそれでいいのかなーと。
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恋の渦:かなり面白かったけど、かなりゲスい(苦笑)。面白いんだけど、登場人物の誰にもこれだけ共感できない邦画って珍しい。「アフロ田中」的な面白さと言えば分かるかなあ……さすがモテキの大根仁監督、と思ったけど、これ、ポリドールの舞台版が元なんですね。感想を言うなら…んー、オトコは馬鹿だなぁとか?某Mさんの「すごく面白かった」という一言につられて見に行ったんだけど、事前にどんな映画か知っていたらたぶん見に行かなかっただろうと思うので、意外なモノが見られて満足。同じくポリドールの「愛の渦」もその後公開になったんだけど、そちらは結局観なかったです。
- ラッシュ:面白かった〜!最高でした。もうもう、さすがロン・ハワード監督って感じです。レースシーンのあの素晴らしい迫力、映画館で見て本当に良かった。後から写真を見てみたら、ジェームズ・ハントもニキ・ラウダもレガツォーニもホントにそっくりでビックリしました。そうか、後にニキ・ラウダが突然引退したあと、後釜で走ったのがジル・ヴィルヌーブだったのか……などと。F1知らない人でも十分楽しめる映画なのにどうして身の回りで観たって話を聞かないんだろう(^^;; 個人的には、ニキ・ラウダって昔からあんな感じなんだなーとか、フェラーリとマクラーレンって昔から名門なんだなあとか、ティレルの六つタイヤがあるマシン見ておおお、とか。ジェームス・ハントが格好良すぎ&プレイボーイすぎ。そりゃぁスーパーモデルも惚れるわ。美女(後の奥さん)の車が故障してしまって、ニキ・ラウダが本気出して運転するシーンとか、キュンキュン来てしまった(萌えポイントが変?)
- LIFE!:こちらも、どんな話か知らずに見に行ってよかったなあと思った映画。ポスターのイメージ(マンハッタンで好青年が頑張る話?)とかけ離れた内容だった。LIFEって雑誌の『LIFE』のことで、しかもその写真部(カメラマンじゃなくてネガ管理)所属の妄想お兄さんの話だったなんて……でも面白い映画でしたよ。多分遠方もちゃんとロケしてる。しょーもないシーンも目一杯ちゃんと撮ってて「そうそう、これって映画だからできる贅沢だよな」と思った←不思議な感想
- 捨てがたき人々:大森南朋演じるダメ男が本当にダメで素晴らしい。やはり大森南朋は、『ハゲタカ』みたいなパリッとした役より、こういう生臭い役が似合うなあと改めて。ヒモとかホストとか、ね……。ほかの役者さんも非常に素晴らしい。美保純の清濁併せ呑む&人生酸いも甘いもかみ分けた熟女感。エロス。三輪ひとみは女神のようだし、滝藤賢一も出番少なかったけど素晴らしい存在感でした。掃除するシーン、良かったなぁ……。そして五島列島(福江島?)の風景の美しいこと。行ってみたくなったよ。多分、20代の時だったらぜったい受け付けないと思うんで、こういうのを見ると、年とってよかったなぁと思うのでした。あと、もとがジョージ秋山のマンガだということを知っていて、ジョージ秋山のマンガを読んだことがあるかどうかで受け取り方が違うのかも。
- オール・ユー・ニード・イズ・キル:友だちにつきあって、全然期待しないで見たのですが……ところがどっこい、すごく面白かった。これは快作! 原作は桜坂洋という人のライトノベルなんですが、主演をトムクルーズにするにあたり、一部設定を変えていたり、映画として見せるために解釈が変わっていたり……ということのよう。原作が読みたくなりました。
- her/世界でひとつの彼女:とても評判が良い映画だったので友達を誘って見に行ったのですが……うーん、私はダメでした。全面的に受け付けなかった。前から2列目でものすごく見づらい席だったというハンデもあるけれど。最初のテレフォンセックスのシーンでもう観ていられなくなり、その後も性的なシーンのたびに、居心地悪くてシートでもぞもぞ。下ネタ関連はほぼ全部ドン引きでしたが(私は、ですよ)、ゲームに出てくる見た目かわいい毒舌キャラだけはちょっと面白かったかな。これだけ受け付けない映画だったにもかかわらず、素晴らしいなと思ったのは美術。どこかで見覚えのある街で「どこだろう?ロサンゼルスかな?」と思いながら観ていたら後半漢字の看板が映り込み「ん?中国?」とか思ったのですが「未来のロサンゼルス」という設定だったようです。主人公の部屋はインテリアも眺めも素敵すぎ!「手紙の代筆、なんてあまり給料高くなさそうなのにあんなに高そうな家に住めるなんて……」と思ったくらいw あと近未来の話ということで、コンピュータのUIが良かったですねー。AppleかMicrosoftがマネするんじゃないかと思ったくらい。
- NO:1980年代のチリ。恐怖政治を敷いていた独裁政権の存続を問う選挙が行われることに。人々がYesと答えれば続行、Noと答えたら民主政権を……ということになり、広告プロデューサーが人々を動かすためのテレビCMを本気で作る……というお話。面白かった!ちょっと昔懐かしい、荒い画像に既視感が……と少し考えて思い出しました。分かった、『アルゴ』だ!そういえば時代も似ているし。私としては、アルゴよりこっちのほうが好きです。映画の内容も面白かったんだけど、個人的には主演のガエル・ガルシア・ベルナルが「ひげ面…こんなに男らしい感じになっちゃってたのか…」という方に驚きが。以前『天国の口、終わりの楽園。』という映画を見たんですが、ここで高校生くらいの若者を演じていたのが彼でした。そのイメージだったので、今回すっかり男らしい男になっていたガエルくんにびっくり。でも今調べたら、『天国の口~』ってもう12年前の映画なのね。そりゃ男らしくもなるわ……。
- インターステラー:今年見た映画の中で、一番評価が難しいのがコレだと思う。監督は鬼才ノーラン。ものすごい力作で、今年公開のハリウッド映画の中でも屈指の大作で、内容は結構なハードSFで、素晴らしい映像美で、役者も実力者揃い(マシュー・マコノヒー&アン・ハサウェイ)で文句なしの熱演でありながら、シナリオや描写に突っ込みどころが満載……という映画。ネタバレになるのでどこがとは言いませんが、突っ込みどころというか「それ、おかしいだろ!」というポイントが満載すぎて、映画見た直後に友だちと牛タン食べながらさんざん文句言いまくったにもかかわらず、しばらく経ってIMAXシアターでもう一度見直したいと熱望した(私が同じ映画を2回見ることは滅多にないです)というあたりに、ミスマッチぶりを感じていただけるかと。これだけハイレベルなトンデモ映画はそうそうないと思うので、気になる人は見ると良いですよ。本当に映像が美しいので、できれば映画館推奨。
- The Obroaders オブローダー 廃道冒険家:新宿テアトルシネマで1週間だけの上映。これは……これは映画なのか……?ニコニコあたりの投稿動画でありそうな感じの映像なんですよね。廃道探検というマニアがいること、そして「藪は漕ぐもの」ということを覚えたのがこの映画を見た収穫、なのかな……。細かいこと言うと、洞窟入っていくのに女性がヘルメットかぶってないのがものすごく気になった。コウモリがバサバサ飛んでるところもヘルメットなしだしマスクすらしてない。あれ、良くないと思うよ……。
- 小さいおうち:気になってたけど劇場に行くほどでもなかった……という事情で、飛行機の中で鑑賞。松たか子に黒木華と、ある意味旬というか今年らしい役者を使っていながら、全体としては「昭和の邦画」の王道を行くあの感じ。新しいんだか古いんだか分からないこの感覚はなぜ?と思ったらこれ、山田洋次監督なんですね。納得……。
- Frozen(アナと雪の女王):今年最後に見た映画は、今年最大の話題作でした。こちらも飛行機の中で視聴。感想は……うーん、普通に面白かったしよく出来てると思ったけど、どうしてここまで今年みんなが盛り上がっていたのか、正直理解できなかったです……。英語で字幕なしというハンデがあるとはいえ(でも、聞き取れなかった部部分はこまめに止めて戻しながら見た)、どうしてなんだろう。面白いし映像もすばらしく綺麗だけど、その観点なら同じくディズニーアニメの『ラプンツェル』のほうが先に出てるだけエラいと思うんですよねえ。うーん。おてんばな妹はいないけど、問題児の弟に悩まされて育った姉としてはどちらかというとエルサの気持ちに添いながら見てましたが、しかしエルサも大概だよなぁ……と思ってしまいましたよ。もしかすると、吹き替えで見ないと人気の理由は分からないのかも、と思いつつ。
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以上13本の感想でした。うーん、これしか観てないかあ。もうちょっと見てると思うんだけど、並べてみると少ないなあ。多分、忘れてるのあると思うんですが思い出せない……。あと、観たかったのに結局観られなかった作品もいろいろあって(「美女と野獣」「マレフィセント」「ホビット」「マダム・イン・ニューヨーク」「チョコレート・ドーナツ」「マダム・マロリーと魔法のスパイス」「私の男」「紙の月」「ジャージー・ボーイズ」……あたり?)、こうして振り返ると心残りですね。来年の宿題かな。
……ということで、改めて振り返ると、2014年私が一番良いと思ったのはこれ……になるのかなぁ。
「ラッシュ/プライドと友情」。殆ど話題になってなかったですよね~。これ、観た直後は「傑作!!!!!!!」とテンション上がりまくりだったんですが、時間が経って改めて思い出してみると、そこまで傑作だったのか?という気もしなくもなくもない……のだけれど、F1好きなら当然楽しめる(昔のF1知ってる人なら多分私よりもっと楽しめる)、F1好きじゃなくてもばっちり楽しめるアクションエンターテイメントになってたところを評価しました。いや、機会があったらやっぱり観て欲しい、いい映画だと思うので。少なくとも、私は好きだ(笑)
去年も似たような日記を書いていたので、リンクはっておきます。それではみなさま、良いお年を!