上野のかっぱよ、永遠に【前編】~さよなら、「酒場 かっぱ」
みなさま、大変お久しぶりです、ayanoです。気がついたらあまりにも長時間ブログを放置しすぎており、すでに何から書いたらいいか分からなくなっている状況です……。そんな中でも、これは書き残しておかなくては、と強く思うことがあったので前後編の分けて書こうと思います。今回はまず前編を。
上野に「かっぱ寿司」というお寿司屋さんがあります。回転寿司の「かっぱ寿司」とはまったく関係ないお店。上野(正確には御徒町かな)の寿司屋通りに向かい合って一号店と二号店がある、地元密着型(でも最近は観光客も多い)のお寿司屋さんです。安くてウマイ。
そのかっぱ寿司の系列の飲み屋さんが「酒場かっぱ」。以前は「もつやき かっぱ」と呼ばれていた気がするんですが、今調べると全部「酒場かっぱ」と出てくるので、以下こちらの名前で進めます。上野にはいわゆる「せんべろ」(1000円で酔っ払えるような安いお店)と呼ばれるような立ち飲み屋さんがいろいろあるのですが、酒場かっぱはちゃんと座って飲めるのに料金は立ち飲みレベル。軽くなら1000円で飲めちゃう素晴らしいお店なのです。安くてウマイ!
その「かっぱ寿司」と「酒場かっぱ」が、どちらも10月28日で閉店するというのです! ※かっぱ寿司は10/31閉店とお知らせいただきました。
悲しい、悲しすぎる。しかも両方ともものすごい人気店で、しょっちゅう店の前に行列ができているくらいお客さんがたくさん来るというのに……。急な閉店の知らせに、「せめて最後にもう一回かっぱで飲み&食べたい」という気持ちをおさえられず、わたくし、ものの一週間ちょいのあいだに合計3回も酒場かっぱ&かっぱ寿司に行ってしまったのでした。……ということで、前振りがえらい長くなってしまいましたが、前編は酒場かっぱ、後編はかっぱ寿司の話でお送りします。
もともと酒場に詳しいわけではない私がこの店を知ったのは、「かっぱ日記」というブログのおかげでした。かっぱ日記の書き手、suzuさんはかっぱを知り尽くしている超常連。かっぱ閉店の知らせを聞き、「かっぱが閉店する前に一度飲みに行きたいです!」とsuzuさんにお願いしたところ、快諾していただけたのでした。
というわけで、10月後半の平日の夜7時、御徒町駅かっぱ口(南口改札)に集合。平日にもかかわらず、かっぱの前には行列が……。これは並ばないとダメかな、と思ったのですが、お店の奥から出てきた店長さんはsuzuさんの顔を見るとサッと2階席へ通してくれました。さ、さすがだ……。
二階に上がると、あれ、意外と空いている。どうやら店員さんが少ないので、勝手が分かっているひとだけを上に通して、その他のお客さんは店員さんの目が届きやすい1階に入れているようです。
かっぱではホワイトボードに書かれたメニューを見てつまみを選びます。この日は基本的にsuzuさんにお任せして、たまに私も「これ食べたいです」とリクエストを言う感じで進みました。今回うっかりホワイトボードの写真を撮り忘れたけど、メニューはほとんど158円か303円(安い!)。お酒も同じく安いのです(すごい!!)
系列にお寿司屋さんがあるかっぱは、刺身類が安くてウマイ!写真はマグロブツとかんぱちだったかな。 各303円。奥は、湯豆腐(158円)。温めた豆腐に刻んだネギとかつお節、そして揚げ玉をたっぷりと散らし、醤油をかけていただく……というかっぱのスペシャリテ。温めた豆腐に揚げ玉、というのが実にいい相性で、実は時々家で真似してかっぱ風温奴を作って食べていました。
かっぱといえば絶対外せない「煮込み」303円。
おそらくは味噌ベースの良い感じに濃ゆい味、よく煮込まれてプルプルと柔らかいモツ、そしてこんにゃく。ん~、優しく甘く、そして濃厚。子どもの頃、家の近くの八百屋でなぜかいつもモツ煮を売っていて、それをおかずにご飯を食べるのが楽しみだったのですが、かっぱの煮込みはそのモツ煮を思い出させる味なのです。おいしいのう、おいしいのう(涙)。
私は数回しか行ったことがないけれど、suzuさんは数え切れないほどの回数通った店。いろいろなかっぱの昔話を聞いているうちに、あっという間にジョッキが空に……suzuさんが頼んだのは「大ジョッキホッピー」。ん?大ジョッキ??
どどーん。大きさの違い、分かります?手前が私の飲んでた梅干しサワー(普通のジョッキ)、奥がsuzuさんが頼んだ 大ジョッキホッピー。写真を撮った角度が良くなくてあまり差が出てないけど、大ジョッキ、ホントに大きいんです!!!!!
最初に頼んだおつまみが空になってきたあたりで、「次何にしましょう?」と相談。ここでなんとなく気になったのが、シュウマイとかウインナーとかの肉加工品系メニュー。特にウインナーは「ノーマルとバジルとチョリソーと、3種類盛り合わせなんですよ。もちろん出来合いのソーセージなんだけど、安くてウマイんだよね……」なんて話をしていたところに登場したのがこれ。
……あ、あれ???
3種類のウインナーの盛り合わせという話だったのが、残念ながら1種類、同じソーセージが4本並んで登場。「刺身など魚系のメニューは寿司屋があるから仕込むけど、おそらく、酒場かっぱだけのための仕入れはもうしていないのだろう」という解説を聞いて、ナルホドと納得する私。しかし、寂しいな……。
そして、ハムカツが終わっていたので代わりに頼んだ「アジフライ」。ハムカツなんてそんなに早くなくなるものじゃないけれど、ウインナーと同じくハムももうそんなに仕入れてないんだろうなあ……と、アジフライをもぐもぐしながらまた寂しい気持ちに。
いろんな話を聞いてとても面白かったのだけれど、「かっぱ」絡みの話は面白い半面、聞けば聞くほどさびしくて。店員さんたち、これからどうするんだろう、とか、「もし自分が大金持ちだったら、お店ごとかっぱを買い上げるんだけどな、ホワイトナイト」なんて話をしたりして。ああ、それ、すごくいいですねえ……そもそもこんなに賑わってる店を閉めちゃうなんて、意味が分からないよ。
かっぱをめぐる話は尽きることなく、この日はなんだかんだで閉店間際までかなり長居してしまいました。「本当にあと1週間くらいで終わってしまうのかなあ、現実味がないけど、でも本当なんだよなあ……」としんみりしながら店をあとにしたのでした。
(この日、不忍池弁天堂近くで見たバルーンの群れ。こんなイベントをやってたみたいです)
翌日、suzuさんから「昨日話したxxの話は、2006年の8月に出てきますよ」とメッセージをもらったので、久しぶりにかっぱ日記を読みました。かなりの頻度で更新されていた飲み日記なんですが(飲みだけじゃないけど)、数日間かけて2009年の2月まで、2年半分のかっぱ日記を読み直し。一度読んでるはずなのに、かなりいろいろ忘れてて、初めて読むような感覚で読めるのが不思議。いや、私が単に忘れっぽいだけか……。2006年って、もう10年も前なんですよねぇ……(当たり前だ)。
かっぱ日記を読み返したこともあって「もう一度『酒場かっぱ』に行きたい!」と強く願うも、その後私がここで飲むことは叶わず。10/28に予定通りかっぱは閉店し、結局この日が私にとってはラストの酒場かっぱになってしまいました(寂)。
しかし、かっぱは一つじゃない。次回は寿司屋のかっぱの話に続きます。