ayanologはてな館

主に東京の東側で暮らしている私の日々を、ごはんやおやつの話を中心につづります。ayanoのblogなのでayanolog。夏の間はかき氷専門ブログ「トーキョーウジキントキ」もやってます。2013年10月に、はてなDiaryからHatena Blogへ引っ越してきました。

六億茶荘@恵比寿






Chinese tea


Originally uploaded by tokyo ayano.

ここ一ヶ月、恵比寿で午前中に2回取材があったので、ランチのカレーと中国茶が妙においしいバー、六億茶荘に寄ってみたのですが…2回とも閉まってました(T_T)


中を覗くと真っ暗。メニューは置いてあるんだけど…もうランチやめちゃったのかな。いや、そもそも営業してないのかもしれないなあ…と、残念に思っていたのです。で、試しに電話してみました。


「はい、xxxxxです(←早口で聞き取れず)」

「あの、六億茶荘さんですか?」

「あー…」


電話で聞いた話をまとめると、ここ1-2カ月六億茶荘は昼の営業を停止しており、いつから復帰するかの見込みは立っていないそうです。うーん、ちょうどタイミング悪いときに行っちゃったなあ。


以下、初めて六億茶荘に行ったとき(2002年8月らしい)の日記を転載します。

なんかむちゃくちゃ長いので、興味を持って頂けた方だけ読んで頂ければ…。それにしても、もう3年も前の話なんだなあ…。

========ここから2002年8月の日記========

 映画を観に、恵比寿へ。お昼ご飯を食べようと、前から行ってみたかったお店、「六億茶荘」に寄って行くことにした。
 ここ、昼はカレー屋さん、夜はソウルバーという面白いお店で、昼のカレーは、台湾式と印度式の二種類から選べるという。よくよく住所を調べたら、ここのお店、いつも行ってる美容院のすぐ裏だった…(汗)。なんだいなんだい、そうと知っていれば、もっと前に行ってみればよかったよ。

 店はビルの一階にある。たぶん、バーが本職なんだろう、照明も暗めで、ソファもそういう感じ。あまりカレー屋さんという感じはしない。壁にはズラズラー!っとLP盤が並んでいるし、店名通り、ソウルミュージックがかかっている。

 印度式伽哩は一種類、台湾式はソースが同じで具が2種類から選べるんだけど、その中には紅葉(鶏の足先のこと、もみじみたいな形でしょう?)なんていうのもあるらしい。ちょっと迷った末、最後に台湾烏龍茶もいただけるという台湾式紅葉伽哩(たいわんしきモミジカレー)を選ぶことに。台湾茶またはチャイ、アチャール、ライスが付いて、印度式伽哩が800円、台湾式伽哩は1000円だった。

 注文すると、小柄でおとなしそうなおじさんがカレーソースを温め始めてくれたんだけど、途中からスキンヘッドでやたらと朗らかな年齢不詳のおじさんがやってきて、スキンヘッドのおじさんがカレー、ライス、アチャール、お水、ウェットティッシュ、骨入れをテーブルに置いてくれる。おしぼりじゃなくてなぜウェットティッシュ?と思ったんだけど、なるほど、紅葉は手づかみで食べていいよ、っていうことらしい。

 カレーの具として紅葉が入っているのは初めて食べたんだけど、非常においしいなあ。カレーソースの味を閉じこめたようなぷるぷるとしたゼラチンをしゃぶっていると実に幸せ。細い骨の周りのゼラチン質は見るからにコラーゲンたっぷりで、食べるリップクリーム状態。上と下のくちびるがくっついちゃう感じ。口を開けると「ムーゥゥゥゥパッ!」となるほどだ(男の人にはわかんないかも…)

 カレーソースは、さらりとしていて後味すっきり。八角の香りがするのが台湾式のゆえん?辛さはそれほどでもないけれど、コクはあるし、スパイスもそれとなく効かせてあって実においしい。かなり好みかも…紅葉の先の爪の部分をしゃぶりつつ、幸せな気分でカレーを堪能した。ん〜、久しぶりに良いところを開拓した感じ。

 贅沢を言えば、たとえばお茶の水のエチオピアとか上野のデリーみたいに(って、この二店は私が東京で一番愛してる二店だったりするんだけど)、麻薬的な刺激の強さがあればもっといいかも…六億茶荘のカレー、とってもおいしいんだけど、上品にまとまっているが故に、あとに残るインパクトは少し弱いのよね。とはいえ、八角入りのカレーなんて初めて。おいしいものはおいしい…。

 カレーを食べながら、店のおじさん二人のやりとりを聞いていた。スキンヘッドのおじさん、どうも元DJだったらしくて、店内に流れてるアメリカンを聴きながら、身振り手振りを交えて当時の思い出話をしている。え、えーと、この曲なんだったっけ…うう、喉元まで来てるのに思い出せない、めちゃくちゃヒットした曲なんだけどな…

 スキンヘッドのおじさんは、おしゃべりを途中で止めて、食後の烏龍茶を持ってきてくれた。ちょっと躊躇したんだけど、「この曲、誰でしたっけ?私たしかLP持ってたと思うんですが…」と話しかけてみた。スキンヘッドおじさん、ちょいとうれしそうな顔で「おっ、この曲知ってるんですか? tears for fearsですよ!でもお客さんこの曲が流行ってたころ、まだ小学生か中学生だったでしょう」とこたえてくれた。そうだ!tears for fearsだぁ!!謎が解けてすっきり…。

 時間が中途半端だったため、お客は私とあと一人だけということもあり、スキンヘッドおじさんと二人でしばらくおしゃべりをする。「80年代のアメリカンポップスが好きだったんですか?」と聞かれて「ブリティッシュロックの方が好きだったんです、でもアメリカのヒットチャート上位に入ってたような曲ならだいたい聴いてた」と答えたら、「じゃあブリティッシュロックをかけよう!」とSTING…じゃないな、POLICEをかけてくれた。ううう、な、なっつかし〜!!!

 出された烏龍茶が、これまた予想以上においしい。というか、まんま台湾で飲んだ烏龍茶。ちゃんと茶壺で入れて、ちっちゃな茶杯で飲ませてくれるのだ。金宣(ホントは草かんむり付き)茶とか、そのへんかな…と思いながらいただいた。きいてみたら大当たり!台湾旅行のおかげで、少しお茶の味に敏感になったのかもしれない。

 「お茶おいしいですね、勿体ないので、二煎目もいただいていいですか?」といったら、今度は調理担当のおとなしそうな小柄なおじさんがうれしそうにいろいろ話してくれた。中国茶の話とか、台北の話で盛り上がる。なんでも六億茶荘は本店…というか同じ名前のお茶屋さんが台北にあるそうで、その関係で彼はかなり頻繁に台湾を訪れているのだそうだ。ううっ、そうだったんだ、いいなあ、今度台北の六億茶荘に行きたいなあ…と盛り上がる。しかしせっかく住所を教えてもらったのに、忘れてしまった(苦笑)。

 とまあ、そんなこんなで、カレー一杯だけ食べるはずがすっかり和んでしまったこのお店。お茶とお茶菓子だけいただくこともできるらしい。

六億茶荘
渋谷区恵比寿1−4−5 ホームベースビル1F 電話03-3442-9477