「かもめ食堂」と「バーバー吉野」
あちこちで話題の「かもめ食堂」を観てきました。
小林聡美扮するサチエが、ヘルシンキに開いた「かもめ食堂」という小さくてこざっぱりしたレストランが舞台。メインメニューがおにぎり、という風変わりなかもめ食堂には誰もお客がこず、ようやく来た初のお客さんは日本かぶれの変な青年一人だけ。やがてミドリ(片桐はいり)、マサコ(もたいまさこ)という日本人女性もお店で働くようになって、淡々とした毎日の中でちょっとずつ変化が。そしてかもめ食堂にもだんだんお客が入るように……
ストーリーを紹介するとこんな感じなんですが、ストーリーを追うのではなくて、上演されている間の時間や空気を楽しむ映画です。いろんな人が感想書いてたので、きっと面白いんだろうなとは思っていたけれど、こんなに幸せな気分になれる映画だったとは♪
感想はいろいろあるんですが、長くなるのでいくつかピックアップ。
・小林聡美はやっぱり上手いですよね。小林聡美といえばやはり、大林宣彦監督の「転校生」で男の子と体が入れ替わってしまう女の子の役が未だに忘れられないわけですが、あれが中学生か高校生のときなんだもんなあ…。一見派手さはないけど、きちんと主役らしい存在感があるところがさすが。劇中ちょこちょこしゃべっている、フィン語も上手です(って私、フィン語話せるわけじゃないけど)
・小林聡美にもたいまさこときたら、あとは室井滋が出てきそう…と思いきや、でもやっぱりあの役は片桐はいりだからはまるんだろうな、という気がしました。ナイスキャスティング。
・衣装がじつはすっごく可愛いですので、これから観る方は気にしてみてくださいまし。お店を休みにして女四人で出かけるシーンのお出かけ着とか、もたいまさこの着てるプリント柄の服とか、むっちゃむちゃかわいい。もたいまさこの服はマリメッコじゃないかと思うんだけど、違うのかなあ…
・majinxさんがblogで、「かもめ食堂を観た帰りにシナモンロールを……」という話を書いてらして、「なんでシナモンロールなんだろう?」と思ってたんですが、観て納得。映画の中に出てくるシナモンロール、むっちゃくちゃおいしそうでした。客席までシナモンの香りが漂ってきそうだったよ……
・で、シナモンロールよりさらにそそられたのが「おにぎり」。映画の中に出てくるおにぎりが、なんともおいしそうで。三角形のオーソドックスなおにぎりなんだけど、「おにぎりってこんなに可愛かったっけ?」と思ってしまうくらい、実に魅力的なおにぎりでした。フードコーディネーターさん、良い仕事してるなあ…!
以上、とってもよかった「かもめ食堂」。ちなみにプログラムも凝っていて楽しいです。
原作は群ようこ。彼女の著作はもう何年も読んでなかったけど、久しぶりに読んでみようかな。
さてさて、かもめ食堂がすっかり気に入ってしまったので、家に帰ってDVDを観ることに……
同じ荻上直子監督の第一作、「バーバー吉野」。こちらはもたいまさこ主演です。
舞台は、ごく普通の日本の田舎町。でも、一つだけ変わったことが…男の子たちの頭が、前髪を一直線に切りそろえた妙ちくりんな髪型「吉野刈り」で統一されているのです。それがこの町の伝統。吉野刈りにしてくれるのは、町に一軒しかない床屋「バーバー吉野」で、そこのおかみさんがもたいまさこだったりします。吉野町の男の子は吉野刈りにするのがあたりまえ、大人も子どももそう思っていたけど、ある日東京から茶髪でおしゃれな髪型の男の子が転校してきて……という話。
こちらもやはり淡々とした映画ですが、すごくよかった!これが初監督作品なのかぁ……荻上直子氏、すごいです。同い年の女性ということもあって、妙に親近感が(笑)。
それにしても、フィンランドっていうと「ノキア?F1ドライバー?ラリー?」くらいしか思い浮かばなかったんですが、いいなあ、ヘルシンキ。北欧に俄然興味がわいてしまいました。フィンランドに行けるような仕事ないかなあ。あればやっぱりノキアがらみかな(笑)
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