ayanologはてな館

主に東京の東側で暮らしている私の日々を、ごはんやおやつの話を中心につづります。ayanoのblogなのでayanolog。夏の間はかき氷専門ブログ「トーキョーウジキントキ」もやってます。2013年10月に、はてなDiaryからHatena Blogへ引っ越してきました。

三の丸尚蔵館「花鳥−愛でる心、彩る技<若冲を中心に>」@第4期

皇居の三の丸尚蔵館で行われている、 「花鳥―愛でる心、彩る技〈若冲を中心に〉展」を見てきました。今回は8月6日までの「第4期」。残念ながら第1期は見逃していますのですが、第2期と、第3期については感想を書いているのでよろしかったらどうぞ。

1期目は見逃しているのだけれど、回を追う毎に混雑が増しているような……今回はかなり混んでました。夏休みのせいもあるとは思うけど、しかしそれにしても混んでいる。外人さんも結構いましたよ。

さて、伊藤若沖といえば、8月1日発売のBRUTUS(8/15号)がまさに若沖特集。面白かった!

BRUTUS (ブルータス) 2006年 8/15号 [雑誌]

マガジンハウス (2006/08/01)

いろんな人が伊藤若沖について語ってるんですが、すごく共感したのが「スーパーフラット」って話。第3期展示品のうち、もっとも惹かれた一つが「蓮池遊魚図」。じーっと見ていると、蓮の花と蓮の葉と水面とメダカと……あれ?どっちが上にあるの?どこまでが水の中でどこまでが水の上なの?と頭の中が「???」になってくる面白い作品なんです。あの感覚はまさに、西洋絵画風の遠近法を超越した「スーパーフラット」なんだな、と。

このBRUTUS、かなりお買い得な号だと思うので、興味がある方はチェックしてみてください。プライスさんの対談とか、展示ガイドとか、英語解説とかあってかなーり楽しめます。おっきな絵も入っているし。あ、若沖の一生をすごろく仕立てにした漫画も面白かった。電車の中でニヤニヤ笑っちゃったもの(笑)

もう一つ、Amazonで見かけたコレ、「ザ・プライス・コレクション」。大型豪華本で、ページ数は664ページ、お値段7万3500円!だれか買ったら見せてください…(他力本願)

…さてさて、話がそれまくりました。以下は今度こそ第4期の感想です。結構長いので、お好きなかただけ…。

今回の感想を一言で言えば「すごーーーーくよかった」。いやほんとに。

今までも良かったけど、私としては総合で見て今までで一番楽しめました。若沖さんだけじゃなくて、酒井抱一の「花鳥十二ヶ月図」も素晴らしい。12カ月まとめてみられるんですよ〜。こんなのをタダで見られちゃうなんて、なんて贅沢な(涙)

花鳥十二ヶ月図は、これはねえ、すっごくいいですよ〜(説明になってないよ、とセルフツッコミ)。植物を中心、鳥を脇役に季節感たっぷりに描いた12幅の絵です。若沖を観たあとの目には少々シンプルに映るかもしれないけれど、あの叙情性というか、何とも言えない優しい雰囲気、鳥の愛らしさ、草花の絶妙な造形センス、見飽きない傑作だと思います。東博の「若冲と江戸絵画展(プライスコレクション)」のほうにも酒井抱一の花鳥十二ヶ月図(ただしこちらは鳥と昆虫がメイン)が出ているそうで、見に行くのがますます楽しみ〜♪→公式ブログ参照

さてさて、今回の若沖さんは、鳳凰&鶏の絵がたっぷり楽しめます。初めて見たときに、その羽根の表現の美しさにすっかりやられてしまった私ですが、今回惹かれたのは「脚」!彼の描く、鳳凰や鶏の脚がたまらん…。鶏に比べると鳳凰の脚はものすごく細くて、見ていると折れないか心配になるくらいなんですけど、あのうろこ(じゃないけどなんだろう?)の細かな書き込み、ツメのところのなんとも言えないカーブの美しさ、それとなんて言うんだろう?ツメとは逆側にピョコッと飛び出している部分があるんですけど、その「ピョコ」がなんともたまらなくそそるのです…。ああ、たまらない。

houou.jpg

「旭日鳳凰図」。脚もなんですが、鳳凰の羽根の表現がまた、クジャクみたいでステキ。よく見ていると別のモノのようにも見えてくるあたりがまた不思議な気分です。あり得ないポーズしてるんだけど、でもちゃんと絵として成立しているのがさすが。「老松白鳳図」もきれーい。

今回は「向日葵雄鶏図」「大鶏雌雄図」に「群鶏図」と、有名な鶏の絵が目白押し。ガラスにくっつきそうなくらいにじり寄って、羽根や脚の細かな細かな描き込みや美麗な彩色に見入るもよし、ちょっと離れて、鶏の絵をまとめて見るのもまた楽し。今回の鳳凰&鶏シリーズはほんっとに素晴らしいです。

kaeru.jpg

で!「池辺群虫図」。これがまた見飽きないのですよ……(表現力貧しくて申し訳ない)。カエルカエルカエル、オタマジャクシいっぱい、ちょうちょ、バッタ、せみ、毛虫、かまどうま、ヘビ、ありんこ、それからそれから……という感じで、絵の中にいる虫を探しているだけで楽しい。絵としてももちろんすばらしい。カエルの向きが絶妙で、ホント楽しいのです。実物大ポスターとかないかなあ……。

はぁぁぁ、楽しかった。日曜までになんとかもう一回見に行きたいな……。