ayanologはてな館

主に東京の東側で暮らしている私の日々を、ごはんやおやつの話を中心につづります。ayanoのblogなのでayanolog。夏の間はかき氷専門ブログ「トーキョーウジキントキ」もやってます。2013年10月に、はてなDiaryからHatena Blogへ引っ越してきました。

田所美恵子・針穴写真展「静物」

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私の机の横には、常時5〜6枚の写真(絵はがき)が貼ってあります。気分に合わせて写真は入れ替えているのですが、常に貼ってある写真が2枚だけありまして、それは何かというと、田所美恵子さんのパリの針穴写真なんですよね。去年の5月に銀座のポーラミュージアムアネックスでやってた「誰も見たことのないもうひとつのパリ」展で買ってきたポストカードなのです。「誰も見たことのない〜」の話はこちらに

…で、その田所美恵子さんの針穴写真展が今年もあるということで、終了前日に駆け込みで見てきました。去年はパリの風景でしたが、今年のテーマは「静物」。パリのマルシェで買ってきた野菜や果物を、室内で針穴カメラで撮った写真たちです。イーストマン・コダックの大判木製カメラを改造して、使ったフィルムは8×10……って、パンフレットに書いてあったけど、大判カメラで写真撮ったことない私には、そのサイズが想像できなかったりして。8×10のフィルムって、20×25センチだそうですよ!しかも露光時間は30分…うっは〜。

前にも書いたとおり、露光時間が長いこともあって、「切り取る」というよりは「光と時間を閉じこめる」という印象なのが、田所さんの針穴写真。機材や対象は変わっても、それは今回の写真でも同じです。

今回展示されていた写真は、たしかに写真というよりはまるで絵画のよう。フィルムをスキャンして、キャンバス地にプリントして額に入れた作品もあって、絵のような写真のような、なんとも不思議な感覚です。
いろんな写真があったけど、ブドウやチェリーの写真が特に面白かった。光が当たったところがつやつや光っていて、なんだか果物と言うよりは宝石みたい。あとは、にんにくとかアーティチョークの写真が好みでした。

針穴じゃないと撮れない写真、という意味で、やっぱりすごいなあ〜と思ったけれど、去年のパリの写真があまりにツボすぎたので、正直いうと、今年は去年ほどの感動はなかったかも…。あと、やっぱり野菜はカラーで見たかったな、などと思ってしまったり。モノクロの野菜達って、見てるとなんだかちょっと寂しくて。いや、田所さんは現像も自分でされるそうだし、我が侭言ってるのは重々承知の上なんですけど……。

カラーの針穴写真で、私が好きなものといえば…ということで、最後にしきはんさんの京都針穴写真をご紹介します。この「青」がいいんですよね〜。未見の方はぜひぜひ見てください→「はりあなのこころ:旅針穴@京都」
最近しきはんさんは針穴で鉄道写真も撮っていて、そちらもとっても素敵です。鉄道写真なのに、鉄道の車両が全然写っていないの(笑)


追記:

針穴写真を撮る―やわらかい光、ゆるやかな時間
田所 美恵子
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会場では去年のパリ写真も展示されていて、河出書房から出た、パリ針穴写真の写真集も販売していました。それを紹介しようと思ったのですが、Amazonではまだ取り扱いがないみたい……ということで、代わりに田所美恵子さんの針穴写真入門書をご紹介。

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