中銀カプセルタワー
携帯の中で朽ちかけていた写真を発掘したのでぺたり。
先日、仕事で汐留に行ったとき、帰り道に撮った1枚です。故・黒川紀章の若き日の代表作、中銀カプセルタワービル。中はマンションで、近日中に立て替えることが決まっています。
1972年に建てられたカプセルタワービル。存在は知っていたけど実は実物を見たのは初めてだったり。何度となく行っていたシオサイトのすぐそばにあって少なからず驚いた。こ、こんなところにあったのか……
丸い窓が付いた立方体のブロックの一つ一つが部屋になっていて、中にはテレビや冷蔵庫(たしか)などの家具が作りつけになっている、のだそうです。マンションの1室そのものがカプセル。
実際には天井は低いし、カプセル内部の設備は老朽化してるし(昭和47年生まれだからねえ……)で、住むのは結構大変らしいですけどね。取り壊しの直接の原因になったアスベスト問題もあるし。なんて書いてたら、なんと、中銀カプセルタワービルに住んでいる“中の人”のblogを発見→★
私、昔から気になっている疑問の1つに「壊すときのことを考えて建物を造る建築家はいるのだろうか」というのがあります。1つの答えがこの建物だと思っている、のですが。カプセルが古くなったらカプセルだけ取り替えることによって、建物は生きながらえていくというコンセプト。それなのに、カプセルを取り替えることなく取り壊しが決まってしまった中銀カプセルタワービル……「建物を長生きさせる」というせっかくのカプセルコンセプトが事実上働かなかったのはなんとも皮肉だな、と、都知事選ではじけていた黒川紀章を思い出しながらこのビルを見上げたのでした。
追記:そういえば、カプセルホテル第一号を考えたのも黒川紀章らしい。福岡大阪にそのカプセルホテルはあるそうです。すごいね!私が生まれて初めてカプセルホテルに泊まったときの話はこちら→★