あんころりんさんのblog本「近所の和菓子屋さんの豆大福、パン屋さんのあんぱん」
私のblogを見ている方なら、かなりの確率でご存じと思われる、あんころりんさんこと高 由貴子さん。彼女のblog「近所の和菓子屋さんの豆大福、パン屋さんのあんぱん」がついに本になったので(少々興奮気味にw)ご紹介。
高 由貴子『東京いとしの和菓子』
あんころりんさんのblogがいいなぁと思うのは、おいしい和菓子に対する分け隔てない深い愛情を感じるから。……って、なんのこっちゃい?と思われるかもしれないですが、ホントにそうなのですよ。あんころりんさんのblogの中では、超有名な高級店や老舗菓子処も、町の名もない和菓子屋さんも、そこがおいしい和菓子を作っている限り平等に語られます。そこがすごいし、それこそがあんころりんさんのblogの魅力だと思う。
この本にももちろんその主題は貫かれていて、東京の町の和菓子屋さん、しかもとびきりおいしくて、魅力的なお店が登場します。1本100円しないおだんごや、焼きたて熱々で皮がぱりっとした鯛焼き、添加物が入っていないから翌日には固くなってしまう豆大福……どれもこれもが「まっとうな」和菓子作りをしているお店ばかり。
本の中で紹介されているのは、あんころりんさんのblogの中で書かれている中でも選りすぐりのお店ばかり。有名店も多いけど、谷中の「むさしや」(ここの水わらび、大好き♪)や、「喜久月」(あをうめやゆずもちはもちろん、干菓子もイイ!)など、私もお気に入りのお店ばかり。イチゴが雪崩を起こしたような迫力のかき氷で有名になってしまった目白「志むら」のお菓子の魅力にもしっかり言及しているし、人形町、根津、四谷、江戸川橋といったたい焼きの名店もかわいらしい写真とともに詳しく紹介しています。
そうそう、かき氷好きとしてはこれも書いておかなくては。名だたる和菓子屋さんと並んで、なんと「しもきた茶苑大山」さんのかき氷も紹介されています♪ 「かき氷=頭がキーン」という誤解を解くことを目的にあんな酔狂なblogをやっている身としては、かき氷が和菓子の1つに認められたみたいで、なんだかうれしかったのです(もちろん、偉いのは大山さんであって、私は何も関係ないのですが……)
あんころりんさんのblogを読んだことがある方なら、文字いっぱい、写真もいっぱいなあの濃密さをご存じのはず。あの膨大な情報量をどうやってまとめるのかな、と思っていたんですが、かなり読みやすい軽さに整えてあるので初心者でもご安心を。東京散歩のお供に連れて行くと(あるいは前日の夜にでも予習しておくと)、それこそ散歩の途中でおいしい和菓子にありつける素敵本です。
そう、この本、読んでると散歩に行きたくなる(そしてお菓子を食べたくなる)危険な本なのです。なので最後に1つ注意点を。ここで紹介されているお店は“街にひっそり息づいているまっとうな和菓子屋さん”が多いだけに、相当の数が日曜休みなのです。日曜休みならまだしも、土日祝全部休み、というお店も少なくないので、「散歩がてら、このお店に行ってみたい!」と思ったときには、忘れずに定休日情報をチェックしてくださいね。