「若冲と江戸絵画」展(3)鈴木其一編
タイの話も書きたいと思いつつ、しつこく続く若冲と江戸絵画展話。実は今回、タイに出発するその当日に、ひとっ走り東博で2度目の若冲展見物をしてきたのでした。えへへ。
お恥ずかしながらこれまで、日本画にはまっっっっっっっっっっっっっっったく興味がなかったのですが、今年の1月に東京都現代美術館で現代の若手の作品を集めた日本画の企画展を見て(No Border〜 「日本画」から/「日本画」へ)、その後5月に皇居の三の丸尚蔵館で初めて伊藤若冲の絵を見てからというもの、自分でもなんだか恥ずかしいくらいの盛り上がりっぷりなのです。
若冲から始まった日本画ミーハー心は、そのうち酒井抱一へ飛び火しました。で、今回の若冲と江戸絵画展で一目惚れしたのが、酒井抱一の内弟子である鈴木其一、そして長沢芦雪。というわけで、今回は「若冲と江戸絵画展」で見られる鈴木其一の作品の話を。
(1)でも書いたように、今回は5部構成&特別展示室、という分け方になっているのですが、このうち「第五章 江戸琳派」のところが鈴木其一ルームになってます。「貝図」「狐の嫁入り図」「群舞図(美女いっぱい♪)」など素敵な絵がたくさんあるのですが、なんといっても印象深いのがこれ。
「青桐・紅楓図」。2幅の絵が対になっています。桐に降る雨と、紅楓に降る雨とで降り方が違うんですよね。そして何より驚くのが、絵の中に満ちている光の豊かさ、柔らかさ。これまで日本画を見て「光」を感じることってなかったので、「こんな日本画があるのか」ということがものすごく衝撃でした。
すごくいい絵がいっぱいあるこの企画展の中でも好きで好きでたまらない絵です。何分でも見ていたい。実際、他の絵を見た後に、もう一回もどってきてこれを見る、という…(笑)
こんなに素敵な絵なのに、悲しいかな、ポストカードやクリアファイルに印刷されていたものはグッとこなかったのでした。なぜなのかは自分でも分からないけれども。そんなわけで、家では図版の中のこの絵を見てニヤニヤしています←怪しい
さて、最後の特別展示室にも鈴木其一の作品がどーんと待ちかまえています。それがコレ↓
「群鶴図屏風」。これ、かなり大きな屏風絵です。上半分が実際は向かって左側に、下半分が実際は向かって右側に置かれていて、ちょうど鶴さんたちが向き合って立っている状態です。
これ、縮小されたものを見ても多分ピンとこないと思うんですよね。実物をみないと、全然いいと思えないんじゃないかと思う。左側の鶴さんたちの中に、一羽だけ頭を下げている鶴がいて、それが全体のリズムを作り出していてとても気持ちいいんです。
展示方法もとてもよくて、ガラスケース抜きでどーんと置いてあります。照明が直接当てられていて、照明の明るさは数十秒毎に変わるという仕掛け。これはなんといっても、直接照明を当てて、金箔が輝いてる状態で見て欲しいなあ。
そういえば鈴木其一の息子の作品「秋草図」もありましたよ。これはかなり斬新でした。そこまで描くかー!?みたいな。なにが“そこまで”なのかはこちらをご覧下さいませ♪
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