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主に東京の東側で暮らしている私の日々を、ごはんやおやつの話を中心につづります。ayanoのblogなのでayanolog。夏の間はかき氷専門ブログ「トーキョーウジキントキ」もやってます。2013年10月に、はてなDiaryからHatena Blogへ引っ越してきました。

「若冲と江戸絵画」展(5)&ホテルオークラ「花鳥風月[日本とヨーロッパ]」

さてさて、しつこく続いてきた「若冲と江戸絵画展」関連エントリもこれで最終回。こちらを見ていただけると、まとめて読めますので、よかったら。

若冲と江戸絵画展」、そろそろ会期終了も近いですが、2階を見終わったら1階の「若冲と江戸絵画?あなたならどう見る? ジャパニーズ・アート?」も忘れずに見てください。「日本画を鑑賞するには光がとても大事」というのがブライスさんの自説で、カリフォルニアのお屋敷では自然光を取り込んだ部屋や、掛け軸を見るために仕切りをした部屋など、工夫を凝らした展示室があるのだそうですよ。

で、その1階の企画展なのですが、一見お子様向け展示ですが大人が見ても楽しめるのでぜひぜひ。畳に座ったり、寝ころんだりしてブライスコレクションを楽しめます。以前京橋のブリヂストン美術館で「雪舟からポロックまで」を見たときに、椅子に座ってガラスケースに遮ることなく、低い視線で屏風絵を楽しむという体験をしたことがあり、それ以来「そうだよなあ、本来屏風絵っていうのは座ってみるものだよなあ。ガラスケースで遮られて、のっぺりと蛍光灯で照らされてる絵は、虫かなにかの標本みたいだ」と思っているんです。ガラスケースに遮られず、しかも座って見るというのは至難の業ですが、どちらかだけでも楽しめる機会があれば逃すチャンスはないと思うので、1階の作品は是非畳に座ってごらんくださいね。

そうそう、この企画展はこれから京都など数都市を回るのですが、特別展示室の光を変えての展示は、東京だけなのだそう。東博で見られる人は堪能してください。

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さて、本展示にもどって……最終回(今回)の話題はなんといってもコレです。酒井抱一「十二か月花鳥図」。皇居三の丸で「花鳥−愛でる心、彩る技<若冲を中心に>」第4期を見たときから気になっていた作品なので、実物に出会えて嬉しかったです。しかも、ガラスケースなしでの対面…(涙)

皇居のと同じ「十二ヶ月の花と生き物」をモチーフに描いたものなのですが、あちらは花をメインに描いているのに対し、こちらは鳥をメインにしています。同じモチーフでも仕上がりは全然違って面白いですよ。

若冲の描く、エキセントリックというかエネルギー過多というかどこかひねくれている絵も面白くていいんですが、ある意味対極にある酒井抱一の絵も大好きです。…というわけでご紹介したいのが、ホテルオークラ別館アスコットホールでやっている、「秘蔵の名品アートコレクション展 花鳥風月[日本とヨーロッパ]」

ホテルオークラがやっているチャリティ展で、今年で第12回なのだそう。西洋画・日本画問わず花鳥風月をテーマにさまざまな作品が集められています。かなりレベル高いのですが、その中でももっとも私が惚れ込んだのがやはり酒井抱一「四季花鳥図屏風」

酒井抱一が、尊敬する尾形光琳の百回忌を営んだときに描いた絵だそうで、金屏風に草花や鳥を描いて季節を表しています。55歳のころの作だそうですが、本当に美しい。傑作です。彼の描く鳥や草花がホントに大好きなんですが、特に、特に彼の描く紫陽花がものすごく好きなんです!!!花びらには濃淡をつけ、葉はマットに塗り分けています。とくにマットに塗った部分は、筆のさばきがとても上手くて、端のラインの処理なども見事としかいいようがないのです。右にいる小鳥もかわいいし、真ん中の雉(かな?)のきょとんとした目も非常に愛らしい。また、雉の羽根の描き方が見事!でも、おなじ美しい鳥の羽でも、若冲さんとは大分違う。積もった雪もねっとりしていなくて、こちらも大分違う(笑)

あ、そういえばこのホテルオークラの企画展でも若冲の作品を見られるんですよ。「乗輿舟」という長〜い版画が展示されています。拓版画というちょっと変わった技法の版画です。他にも北斎の「月見る虎図」、長沢芦雪「雁来紅小禽図」、渡辺崋山「富峰驟雨図」など見所満載。個人的には円山応挙の「梅に鶯図」が好きだなあ。小さい作品なんですけどね。

ホテルオークラの「花鳥風月[日本とヨーロッパ]」は24日木曜まで。もうすぐ終わってしまうので、気になる方はお早めに!!

それにしても、2004年には酒井抱一を中心とする琳派関連の展覧会がいっぱいあったと知り、「もう2年早く知っていれば…」と悔しくてなりません。まあでも、今から見られるものを探そう、と前向きに考えています。今見られるものとしてはそのほか、東博が持っている「夏秋草図屏風」(常設展示です。若冲と江戸絵画展のチケットがあれば、そのまま見られるので是非どうぞ)が多分酒井抱一の一番の代表作なのかな。

もう一つ楽しみにしているのが、出光美術館で9/9から10/1まで開かれる「国宝 風神雷神図屏風―宗達・光琳・抱一琳派芸術の継承と創造―」俵屋宗達が描いた「風神雷神図屏風」を、その100年後に尾形光琳が模写し、さらに幕末に酒井抱一が模写に挑戦したのだそうです。その3人の「風神雷神図屏風」を、3つまとめて展示するという企画展です。出光美術館は多分、会社から一番近い美術館…なんですが行ったことないんですよね(^^; 忘れずに行ってこようと思ってますー。

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