ayanologはてな館

主に東京の東側で暮らしている私の日々を、ごはんやおやつの話を中心につづります。ayanoのblogなのでayanolog。夏の間はかき氷専門ブログ「トーキョーウジキントキ」もやってます。2013年10月に、はてなDiaryからHatena Blogへ引っ越してきました。

グレゴリー・コルベール「ashed and snow」@お台場ノマディック美術館

小雨降る6月24日(土)、お台場のノマディック美術館で「ashes and snow」を観てきました。りんかい線東京テレポート駅の目の前です。最終日ということもあって、結構な混雑。チケット買うまでに20分くらい並んだよ……。

ashes and snow

移動美術館であるノマディック美術館は、コンテナを積み上げて作ってあります(COSCOとか書いてあるやつ)。傘を差してる人がならんで、なんか面白い写真になったかも(笑)

展示内容はというと……グレゴリー・コルベールによる約50点の超大型写真作品のほか、60分の映像1本、「映像俳句」と呼ばれる9分のショートフィルム2本。動物と人間の交流がテーマになっているようで、ゾウ、オランウータン、猛禽類など、さまざまな動物と人間の写真が並びます。上の写真を観ても分かるとおり、どの写真もあり得ないくらい動物と写真が至近距離。写真はすべて和紙に印刷されていて(だから独特の風合いがある)、コンピュータ合成はいっさいしていない、のだそうです。

「すべての動物が共有している言葉と詩的な感覚を探る過程を通じて、私は、人間が動物と調和しながら生きていた時には存在したはずの共通の基礎を再発見したいと考えています。作品のイメージは、始まりも終わりもなければ、こちらとあちらや、過去と現在の区別もない世界を表しています。作品展全体から、驚きと静けさ、深い思考と希望を体験していただけたらと思います。」

すごく評判いいんですよね、この企画展。私の周りも見に行った人はみな絶賛していた。
凄い写真だと思う。思うんだけど……この違和感、居心地の悪さは何なんだろう。
以下、ネガティブ感想なので、「グレゴリー・コルベール、良かった!」って方は観ないほうが良いかもです。

☆ ☆ ☆

展示会場全体がグレゴリー・コルベールの世界観で満たされているわけです。どの写真もどのムービーも、ほぼ同じトーンで語りかけてくる。「人間と動物が交流しているよ」「知能の高い動物と人間は分かり合えるんだよ」「これがCGじゃないんだよ」……と。

グレゴリー・コルベール氏が何をしたかったのか、よーく、よーく分かりました。分かったけど、やりすぎ。過剰すぎてとても入り込めなかった。あまりに過剰だから、観ているうちに胸が苦しくなってくるの。ポスターなどに使われている写真、1〜2枚を観てるうちは素直に「凄いなー」と思えたんですけど……。

私はもう完全にギブアップだったんですけど、周りを観てると「素敵〜」「癒される〜」と言いながらお客さんが会場を出て行くんですよね。ショップもすごいにぎわいで。この写真たちを見て「素敵」「癒される」と思えない私はひねくれているんだろうか、心が汚いんだろうか、と思いつつ、「でもなあ、うまく説明できないけど『イルカは知能が高い動物なんだから殺すなんてとんでもない!』的世界観がビンビン伝わって来ちゃって、とても見てられないんだもん、私」とも思ってしまった。

まあ、同じモノを観ても、感じ方考え方は人それぞれですもんね。グレゴリー・コルベールの写真展を観て素敵!と思った方は、この感想を読んで不快に思ったかも。申し訳ないです。

Ashes and snow (WEB)