銀座一丁目の食パン専門店「セントル・ザ・ベーカリー」に行列がなかった日
有楽町にある「銀座のジンジャー」に行く度に気になっていた、近所の大行列。最初は茨城マルシェ(茨城県の物産館)の行列かと思っていたのですが、さすがにそんなことはなかった。「セントル・ザ・ベーカリー」という高級食パン専門店なのですね。
本当にいつ通っても大行列なのですが、11月なのに東京に雪が降った(!)ある日。近所で仕事を済ませて「どこかでお茶かごはんか食べたいですね」と仕事相手と話しながら歩いていたら、なんと、セントル・ザ・ベーカリーに行列がない!さすが雪の日。
というわけで、訳も分からず入ってみました。店頭で食パンを買い求める人のほか、カフェスペースにも結構人がいます。見渡すばかり女性ばっかりw
渡されたメニューを見ると、サンドイッチにクロックムッシュなど食パン屋さんらしく食パンを使ったメニューが並んでいます。でも一番の推しはこれらしい……ということで「食パン食べ比べ」というメニューを頼んでみることに。
「食パン食べ比べ」は、切り立ての食パン2~3種類(1枚ずつ)と牛乳(またはアイスティー) がセットで出てくるメニューです。写真のパン3枚+バター3種類+牛乳の「バター食べ比べセット」で1100円。バターじゃなくて「ジャムセット」だと1400円。おおお、銀座価格だわぁ……
パン3種類は右から「一番右は焼かずにそのままがオススメ、真ん中は焼いてもおいしいです。左側はトーストするとサックリいただけます」とレクチャーされます。というわけで、まずは右の食パンを焼かずにぱくり。うん、確かに風味がよくておいしい。
真ん中のパンも焼いてみましょうかね。
ここ、面白いのがテーブルにトースターを持って来て、自分でパンを焼いて食べられるようになっているんです。写真はイタリアのトースターなんだけど、メーカー名分からず。 派手さに負けてこれを選んでしまいました。
お店の入り口入ってすぐのところがトースター置き場になっていて、好きなのを選べるようになっています。外国のメーカーのトースターばかりで、ほとんど知らないなあ。分かったのはデロンギくらいだ……。
パンの写真をもう一回。写真の右から、「国産小麦の湯種・液種の角食パン」「北米産小麦の湯種・液種の角食パン」「山形のイギリス食パン」。食べ比べると、確かに味が違うもんですね。食感と小麦の風味が違うんです。国産小麦はもっちり目、イギリス食パンはサクサク。北米小麦はその中間って感じ。でもどれもおいしいから「どれが一番よかった?」と聞かれてもまったく答えられない…強いていうなら右が一番好きかなあ。焼かずに食べたけど、焼いてもきっとおいしいんじゃないだろうか。
ちなみにバターも3種類違うもので、上からエシレ、自社農場で作ってるバター、あと一つは何だったかな。どれもおいしいです。説明になってなくてスミマセン。
ジャムセットを頼むと、珍しい海外のジャムがこんな感じでドドンと出てきます。右下はハチミツ。下の真ん中はヘーゼルナッツのチョコスプレッドだったかな。どれもおいしいので迷う迷う。
高級食パン、確かにおいしいです。気に入った人は入り口で買って帰るのをオススメ。サイズは2斤のみ、食べ比べの3種類を売っているようです。冒頭に書いたとおり雪の日で通常よりは相当空いていたと思いますが、それでも見ていると飛ぶように売れてました、食パン。
さて、この日はここでパンを食べて(買わずに)そのまま帰ったんですが、ちょうどそのとき読んでいた『なぜ日本のフランスパンは世界一になったのか』という本に、このお店の話が出てきてびっくり。渋谷の「VIRON」と同じ会社がやってるんですね、ここ。そうか、VIRONがフランスパンで、こっちが食パン……と納得。
さらにその本では、日本のパンは日本にやってきたドイツ人やフランス人、後にアメリカ人によって進化してきた(日本人が本場に勉強しにいくパターンももちろん多い) のだが、日本人はもっちりした食感のパンが好き……という話が語られて、読みながら「おお!」と思ったのでした。そうなんです、上に書いたとおり、食べ比べた食パンのうち一番もっちりしていたのが国産小麦の食パン。日本の小麦を、日本人の嗜好に合わせて作ったもっちり食パンだったのだな……と妙に納得したのでした。
この本、すごく面白かったので強くオススメします。パスコとかアンデルセンとか木村やとかよく知ってるパン屋さんがいろいろ出てくるのも楽しい。筆者は料理本……というか料理研究家の歴史にも通じた人なので、背景にある知識がハンパないです。パンに詳しくない私が読んでもとっても面白かったので、パン好きの人ならたまらないはず。主役はパンですが、それとなく小麦食の世界史に触れながら話が進むので、麺好きや海外の食文化に興味がある人、文化史好きな人もきっと楽しめます。というか、このブログを読んでくれるような食いしん坊さんなら間違いなくあっという間に読み終えちゃうと思いますよ。かなーりオススメです。
なぜ日本のフランスパンは世界一になったのか―パンと日本人の150年 (NHK出版新書 501)
- 作者: 阿古真理
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2016/10/07
- メディア: 新書
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以下、余談。
セントル・ザ・ベーカリーの食パンは確かにとても美味しかったのだけれども、食べていて改めて思ったのが「ペリカンの食パンって本当に安くておいしいよな」ということ。まあ、私の場合あれはソウルフードという事情もあるんですが……。
最近知ったんですが、ペリカンの話が今度映画になるんですね!びっくり。→予告編
ただ、これ(↓)を見ると映画をつくるためのクラウドファンディングをしているところなのかな?
たった2種類のみのパンをつくる浅草の老舗パン屋。 ドキュメンタリー映画『74歳のペリカンはパンを売る。』制作記念! 〜 ペリカン倶楽部・部員募集 〜 | GREEN FUNDING by T-SITE
ペリカンの食パンについては過去のブログをご覧下さい。
そして、セントル・ザ・ベーカリーと同じ会社のVIRONで朝ご飯を食べた話はこちら。こう見るとジャムの出し方とか同じですね。
あ、お店の情報はこちらです。
- ジャンル:パン
- 住所: 中央区銀座1-2-1 東京高速道路紺屋ビル 1F
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- (写真提供:アグネスまきお31886)
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